バンコンのキャンピングカーでもっとも有名なのが、ハイエースのキャンピングカーです。
キャンピングカーと聞くと、トラックのような大きな車体の後方に大きな住居スペースを搭載した「キャブコン」をイメージする方も多いと思いますが、バンやワンボックス、ミニバンなどをベースにした「バンコン」のキャンピングカーもあります。
バンコンはキャブコンと比べると車体サイズはコンパクトですが、ハイエースのキャンピングカーはバンコンの中では大きいサイズであるため、キッチンや冷蔵庫、ベッドなども載せられます。そのため、キャブコンのように快適な室内空間を作ることも可能です。
「本格的なキャンピングカーはいらないものの、手軽にキャンプや旅行を楽しみたい」「自宅の駐車スペースが狭いため、手頃なサイズのキャンピングカーを探している」といった方に最適と言えるでしょう。
本記事では、これからキャンピングカーの購入を考えている方に向け、その魅力や、選ぶ際のポイント、おすすめのモデルを紹介いたします。
ハイエースのキャンピングカーが入門車として選ばれる理由
ハイエースのキャンピングカーのメリットは主に次の3つです。
- 運転しやすい車体サイズで初心者でも安心して乗れる
- 2列目以降の室内空間が広く使い勝手もよい
- カスタムパーツが豊富に存在するため好みの仕様にできる
ハイエースは運転しやすい車体サイズで入門者でも安心して乗れる
ハイエースは乗用車であるため、普通免許で運転できます。
将来大型キャンピングカーを考えている方は、総重量5トン普通免許の取得を検討して下さい。
大型のキャブコンやトレーラーと比べて車体が小さく、運転しやすいのが特徴です。アルファードやセレナなどのミニバンと比べても実はそれほど大きさに差がなく、むしろ小回りはハイエースのほうが効きます。普段から大きめのファミリーカーを運転している方なら難なく乗りこなせるでしょう。また、普段の買い物や送迎など、日常的にも利用できます。
2列目以降の室内空間が広く使い勝手もよい
ハイエースは、運転席以降のサイズが広く設計されているため、キッチンスペースを設けたり、冷蔵庫や電子レンジなどの家電製品を設置したりすれば、快適な室内空間が作れます。
標準サイズボディのほかに、幅広の「ワイドボディ」や車高が高い「ハイルーフ」の設定があり、ワイドボディのハイルーフを選ぶと室内空間が相当広くなるため、より快適な室内環境を作りたい方におすすめです。
一方で、標準ボディのハイエースであれば運転しやすく小回りも効くため、都市部や市街地にお住まいの方に向いていると言えます。
カスタムパーツが豊富に存在するため好みの仕様にできる
ハイエースはカスタムカーとしても人気が高く、パーツもたくさん出回っていますので、オーナーの好みを反映させたオリジナル仕様のキャンピングカーを作ることもできます。
また、基本的に荷物が積めるようにシンプルな設計になっていますので、気になるところを自分でカスタムすることも可能です。
これがアルファードやエルグランドなどのミニバンであれば、シートや内装を外すところから始まるため、時間も費用も大きくかかってしまいます。
ハイエースのキャンピングカーの維持費は年間17〜47万円
ハイエースを所持した時にかかる年間の費用を紹介します。
※8ナンバー、ガソリン車で計算
- 自動車税・・・31,600円〜40,800円
- 自賠責保険料(1年分)・・・15,105円
- 車検費用(1年分)・・・100,000円〜150,000円
- 駐車場代・・・50,000円〜60,000円
- メンテナンス費・・・50,000円〜70,000円
- 任意保険・・・20,000円〜100,000円
- ガソリン代・・・10,000円〜30,000円
合計すると、年間で17〜47万円程です。
比較としてキャブコンのキャンピングカーの維持費も見てみましょう。
- 自動車税・・・23,600〜80,000円
- 自賠責保険料(1年間)・・・17,500円
- 車検費用(1年分)・・・150,000〜250,000円
- 駐車場代・・・60,000〜72,000円
- メンテナンス費・・・50,000〜100,000円
- 任意保険・・・50,000〜100,000円
- ガソリン代・・・10,000〜30,000円
合計すると38〜67万円程度となり、ハイエースのキャンピングカーと比べると、年間維持費が20万円程高くなります。
キャブコンは、ハイエースのキャンピングカーと比べて車体サイズが大きく重量があるため、その分「自動車税」や重量税が含まれている「車検費用」が割高になるのです。
ハイエースのキャンピングカーを選ぶ際のポイント
その1.直接お店に出向いて実車をチェックする
ハイエースのキャンピングカーはメーカーから新車で販売されているわけではないため、カスタムメーカーの技量によって品質が大きく異なります。車によっては見せかけだけの内装や使い勝手が悪い家具などが使われていることもあるので注意が必要です。
情報を集める際は、情報誌やウェブサイトでもいいのですが、テーブルの高さやクッションの固さなどは実車でなければわかりませんので、キャンピングカーを専門に取り扱っているお店に出向いて確かめることをおすすめします。
その2.用途によってはディーゼルエンジンを選ぶ
ハイエースのエンジンはガソリン車とディーゼル車の2種類があります。ガソリン車であればエンジンが静かで騒音も少ないため、長時間運転する機会が多い場合はガソリン車をおすすめします。
ただし、ガソリン車と比べ50万円ほど費用は高くなりますが、エンジンパワーやトルクなどでディーゼル車も人気がございます。ハイエースのキャンピングカーは設備や家具を乗せており、車重が重くなりがちなので、内装を作り込む場合や、スーパーロングなどの大型ボディも人気です。また、スーパーロングはガソリン車のみでの設定となりますのであらかじめご認識ください。
その3.駐車スペースを忘れず確認
意外に盲点となるのが駐車スペースです。ハイエースのキャンピングカーはキャブコンよりもコンパクトとはいえ、高さを含めると一般的な乗用車よりもかなり大きいサイズですので、購入前には予定している駐車スペースに収まるかどうか確認しておくことも忘れないでください。
キャンプ入門者におすすめするハイエースのキャンピングカー3選
ハイエースのキャンピングカーは、車体を大きく改造したタイプと、内装のみキャンピングカー仕様にしたタイプがあります。
ここではおすすめのキャンピングカーをご紹介します。ぜひキャンピングカー選びの参考にしてください。
デルタリンク ダーウィン Q3
標準サイズのハイエースよりルーフが高く、全長が長い「スーパーロング」をベースとし、人気オプションのソーラーパネルが搭載されているモデルです。室内空間は丁寧にハンドメイドされており、質感の高さも高評価です。また、リア部にはバンコンタイプでは珍しい常設ベッドが設置されていて、運転に疲れた時は休憩もできます。
- 車体寸法・・・全長538cm×全幅192cm×全高228cm
- 乗車定員・・・7人
- 就寝定員・・・4人
- エンジン・・・ガソリン
- 主な装備・・・サブバッテリー、ソーラーパネル、電子レンジ、冷蔵庫
FUNLUCE ウラルエイジア
ロングバンタイプのボディを改造して製作されたモデルです。キッチンや電子レンジなどの設備がしっかり備え付けられているのはもちろん、圧倒的な広さの常設ベッドや収納の多さが特徴的です。機能性を考慮して作られた内装であるため、キャブコンに引けを取られない快適性を持つ1台とも言えるでしょう。
- 車体寸法・・・全長482cm×全幅192cm×全高269cm
- 乗車定員・・・6人
- 就寝定員・・・4人
- エンジン・・・ディーゼル
- 主な装備・・・サブバッテリー、ソーラーパネル、電子レンジ、冷蔵庫、FFヒーター、走行充電システム
アドセット シーズネクス
あえてシートを一般車のように配置しているため、ミニバンのようにも使えるキャンピングカーです。内装は木目調のパネルと高級感のあるホワイトのシートが採用されており、まるでVIPカーに乗っているような感覚になります。もちろんシートをすべて倒せば、大きなベッドにすることも可能。後部にはシャワーも備え付けられているため、キャンピングカーとしての機能も申し分ありません。
- 車体寸法・・・全長484cm×全幅188cm×全高208cm
- 乗車定員・・・8人
- 就寝定員・・・4人
- エンジン・・・ガソリン
- 主な装備・・・サブバッテリー、シャワー、走行充電システム
ハイエースのキャンピングカーまとめ
ハイエースのキャンピングカーについてご紹介しました。ハイエースは、キャブコンのキャンピングカーと比べると、車体サイズが小さく運転しやすいという特徴があります。また、キャブコンよりも維持費を抑えることができるため、手軽にキャンプを楽しみたい方にもおすすめです。
ハイエースはカスタムパーツが豊富に存在し、購入後に自分好みにカスタマイズできるのも大きなメリットです。
ただし、キャンピングカーは業者によって製作方法が異なるため、内装の作りが雑だったり、購入後に故障などのトラブルが起きたりすることも考えられます。購入するお店選びは慎重に行い、お店で実車を確認したいところです。