ここでは、キャンピングカーのすべての種類について詳しく解説するとともに、それぞれどのような方におすすめか、ご説明いたします。
使い勝手がよいおすすめのキャンピングカーもいくつかご紹介いたしますので、キャンピングカーの購入を考えている方は、ぜひご参考にしてください。
キャンピングカーは大きく6種類に分けられる
キャンピングカーは、サイズや形状、ベース車両の種類により、6種類に分けられます。
維持費や価格が大きく異なりますので、単に「サイズが大きければ良い」というわけではありません。また、価格ばかり気にしすぎて、購入後に小すぎたり必要な装備がないことに気づき、不便を感じてしまうのも本末転倒です。
価格と使い勝手の両方で自分にちょうどよいキャンピングカーを選ぶには、まずはキャンピングカーの種類について知る必要があります。
フルコンバージョン(フルコン)/セミフルコンバージョン(セミフルコン)
まず最初は「フルコンバージョン(フルコン)」。専用のフレーム・エンジン・駆動系などで構成されているキャンピングカーです。
キャンピングカーのために一から作られた車体のため、室内の使い勝手は抜群です。キャンピングカーの最高峰に位置付けられており、車体は大きく、デザインも洗練されています
バスをベースに、キャビンやフロアを残してカットし、キャンピングカー用のシェルを繋げた「セミフルコンバージョン(セミフルコン)」という種類もあります。フレーム・エンジン・駆動系などがすべてキャンピングカー専用であるフルコンに対し、セミフルコンはバスのエンジンや駆動系を使用しているという違いがあります。
フルコン、セミフルコンともに、シャワーやトイレが標準装備されているものが多く、まるで自宅のお部屋で過ごすように使用できるため、長期間キャンプや快適さを求める方におすすめです。
こんな方におすすめ
- 頻繁に長期間のキャンプや遠征をする方
- キャンピングカーに徹底した快適さを求める方
キャブコンバージョン(キャブコン)
次にご紹介する「キャブコンバージョン(キャブコン)」は、トラックをベースに、荷台部分をキャビンにしたキャンピングカーです。
ハイエースやキャラバンなどのバンと同程度の大きさのトラックをベースに、シェル部分を架装したものを繋げているため、運転しやすいサイズです。また、フルコンやセミフルコンと比べて価格が安く、比較的手に入れやすいため、日本では最もメジャーなタイプのキャンピングカーとして知られています。
フルコン/セミフルコンには及ばないものの居住空間は十分に広く、キャビンの上部に「バンクベッド」と呼ばれる大人2〜3人が寝られるスペースも設けられているため、大人数で楽しみたい方やファミリー層も満足できるでしょう。
こんな方におすすめ
- ファミリーや大人数で楽しみたい方
- フルコン/セミコンよりもサイズや価格を抑えて入手したい方
バスコンバージョン(バスコン)
「バスコンバージョン(バスコン)」は、バスの車体をそのまま利用し、内装をキャンピングカー仕様に改造したキャンピングカーです。
海外では大型バスをベースにしているものが多いものの、日本では運転のしやすさや駐車スペースを考慮し、マイクロバスをベースにしたものが多く販売されています。
常に数人が乗車することを想定して作られたバスベースのキャンピングカーは、乗り心地がよく、エンジンパワーも申し分ありませんので、大人数でアウトドアを楽しみたい方や、移動中も快適に過ごしたい方に向いているでしょう。
車内は広くて床がフラットなのでオリジナルの内装を作りやすく、内装を自分好みにカスタムしたい方にも人気があります。
こんな方におすすめ
- 大人数でアウトドアを楽しみたい方
- 移動中も快適に過ごしたい方
- 内装を自分好みにカスタムしたい方
バンコンバージョン(バンコン)
バンコンバージョン(バンコン)」は、ハイエースやキャラバンなど、ワンボックス車の内装を改装したキャンピングカーです。
キャブコンと比べると室内空間の広さでは劣りますが、ボディに大きな装飾がないためベース車両とサイズがあまり変わらず運転がしやすく、また、街中でも普通の車として気軽に運転できるのが特徴です。
維持費が一般的なバンと同じである点も魅力的で、キャンピングカー初心者にも人気が高いです。
ポップアップルーフやキッチンを搭載した本格的なモデルや、簡易的な就寝用設備のみ搭載した車中泊仕様など、さまざまなユーザーの要求に応える数多くのモデルが販売されています。
こんな方におすすめ
- 普通の車と同じ感覚で運転したい方
- 子どもがまだ小さいファミリーや大人2~3人で楽しみたい方
軽キャンパー(軽キャン)
「軽キャンパー(軽キャン)」は、軽自動車をベースにしたキャンピングカーです。
小型のため1〜2人での使用が前提となりますが、小さな車体は小回りも効くため運転しやすく、手軽にキャンピングカーを楽しみたい方におすすめのモデルです。自宅の駐車スペースにも余裕を持って停められます。
価格の安さも魅力です。維持費も普通乗用車程度の費用で所有できます。
装備を充実させるために、軽自動車のサイズを超過したものもありますが、それでも軽自動車をベースとしていることには変わりありませんので、バンコンやキャブコンなどと比べると維持費は遥かに安いです。
こんな方におすすめ
- 少人数で手軽にアウトドアを楽しみたい方
- 低コストで運用したい方
キャンピングトレーラー(トレーラー)
最後にご紹介するのは「キャンピングトレーラー(トレーラー)」。独立した居住空間を自家用車で牽引し、キャンピングカーとして使用します。
原動機自体を持たないため通常のキャンピングカーと比べて価格が安く、気軽に入手できるのが特徴です。また居住空間が広く、内装も充実しているものが多いです。
使用しないときは牽引車と切り離しておけば、自宅の一室としても使用できますので、既にマイカーを所有しており、たまにキャンプを楽しみたいという方にもおすすめです。
注意点として、牽引車側には牽引装置のヒッチボールを取り付ける必要があり、750kg以上のトレーラーを牽引するときは「牽引免許」が必要になります。
また、牽引車は普通車と比べると動きが特殊で、運転に慣れるまでコーナーやバックが難しいと感じるかもしれません。
こんな方におすすめ
- 広い室内空間や充実した内装を望みつつ購入時の負担を下げたい方
- 時々キャンプを楽しみたい方
使い勝手がよいおすすめのキャンピングカー
ここまで、さまざまな種類のキャンピングカーをご紹介してきましたが、その中でも特に使い勝手がよいおすすめの車両を「キャブコン」「バンコン」「バスコン」「軽キャン」から1つずつピックアップしてご紹介します。
アネックス リバティ52DB 4WDフルタイム(キャブコン)
トラックをベースとしたキャブコンタイプのキャンピングカーです。トイレやシャワー、流しも設置され、普段の生活と変わらないスタイルで使用できます。
また、広い「ダイネットスペース」と「スライド式バンクベッド」を採用しており、ファミリー層に使いやすいように設計されています。
室内空間は明るめの色合いとなっていますが、木目調も使われているため、落ち着きのある空間に仕上がっています。
基本仕様
- 車体寸法・・・全長523cm×全幅204cm×全高288cm
- 乗車定員・・・6人
- 就寝定員・・・5人
- ベース車の主な装備・・・リアヒーター、リアクーラー、バックカメラ
- コーチ部の主な装備・・・ギャレー(流し)、シャワー、温水ボイラー、冷蔵庫、トイレ、走行充電システム、ソーラーパネル
ワークヴォックス SEDONA typeⅣ(バンコン)
ハイエースをベースとしたバンコンタイプのキャンピングカーです。
2列目と3列目のシートを向かい合わせにできるため、中央にはテーブルを設置し、ゆっくりくつろぐ空間にできます。
上部には収納棚がたくさん搭載されており、使いたいときにすぐ取り出せるため、使い勝手も抜群です。ハイエースの足回りは乗り心地も考慮して設計されているため、走行中の振動で棚の中のものが落下する心配もありません。運転もしやすく、キャンピングカー入門者にもおすすめの1台といえるでしょう。
基本仕様
- 車体寸法・・・全長538cm×全幅188cm×全高228cm
- 乗車定員・・・5人
- 就寝定員・・・4人
- ベース車の主な装備・・・アルミホイール、フロントエアコン
- コーチ部の主な装備・・・ギャレー(流し)、サブバッテリー、走行充電システム
RVコーエイ Roman(バスコン)
トヨタコースターをベースとしたバスコンタイプのキャンピングカーです。
キッチンスペースやシャワーなどを設置している状態で乗車定員が最大10人と、マイクロバスの広い室内空間をフル活用したレイアウトが特徴です。
また、運転席や助手席の間にもテーブルを設置するスペースがあり、1列目に座る人も快適に過ごせるようになっています。
基本仕様
- 車体寸法・・・全長626cm×全幅203cm×全高265cm
- 乗車定員・・・10人
- 就寝定員・・・4人
- ベース車の主な装備・・・リアヒーター、リアクーラー、バックカメラ、ナビ
- コーチ部の主な装備・・・ギャレー(流し)、シャワー、温水ボイラー、冷蔵庫、電子レンジ、走行充電システム、FFヒーター
インディアナRV インディ727 Lタイプ(軽キャン)
軽バンをベースにした軽キャンパーです。
他のキャンピングカーと比べると小さくて不便そうに見えるかもしれませんが、ポップアップ型のルーフが採用されていたり、2列目シートを横置きレイアウトにしたりと、室内空間を広く使えるように設計されています。
キャンピングカーの中でも圧倒的に運転しやすく維持費も安いため、手軽にアウトドアや車中泊を楽しみたい方におすすめです。
基本仕様
- 車体寸法・・・全長339cm×全幅147cm×全高199cm
- 乗車定員・・・4人
- 就寝定員・・・4人
- ベース車の主な装備・・・フロントエアコン、バックカメラ
- コーチ部の主な装備・・・ギャレー(流し)、サブバッテリー、走行充電システム
キャンピングカー選びは最初に種類を絞るのがポイント
キャンピングカーは、車両によって大きさも違えば使い勝手や装備も大きく異なるため、自分がイメージする使い方にピッタリと当てはまる1台を探すのは意外と難しいもの。
まずは自分に向いていると思うキャンピングカーの種類を選択し、それから装備品や細かな仕様等で車両を絞り込んでいくのがポイントです。
最初はインターネットや情報誌などを活用しながら調べることになると思いますが、もし、いまいちピンと来ない場合は、キャンピングカーを専門に取り扱っているお店に相談してみるとよいでしょう。大まかな予算や要望を伝えれば、親身に相談してくれるはずです。