キャンピングカーでテレワークするのに必要な基本的な装備やアイテムをご紹介します。
テレワーク(リモートワーク)をしてみて気が付くのは、自宅だと仕事をする場所の確保が意外と難しかったり、家族がいて職場のように集中できないことです。そこで注目されているのが、キャンピングカーを利用した車内テレワーク。ノートパソコンなど仕事に必要な機材を積み込み、眺望のよい山や海、川辺まで移動すれば、ストレスを感じにくい最適な環境で集中して仕事ができます。
それでは、実際にキャンピングカーを仕事場として利用するにはどのような装備やアイテムが必要になるのでしょうか。
テレワークに必須な5つの装備
キャンピングカーでテレワークするには、パソコンやタブレット端末をインターネットに接続するための環境が最低限必要です。また、長時間快適に仕事をし続けるためには、機材に電源を安定供給するための装備や、身体への負担を減らすテーブルや照明、エアコンも用意する必要があるでしょう。
高速で安定したインターネット環境
パソコンやタブレット端末で各種ウェブサービスを利用するためには、高速で安定したインターネット接続環境を用意する必要があります。
ZoomやGoogle Meetなどのウェブ会議システムを使ったコミュニケーションが頻繁に行われるようになりましたが、ウェブ会議以外にもインターネットを介して利用するタイプのサービスが当たり前のように使われるようになり、もはやインターネット環境なくして満足に仕事をこなすことができない時代になりました。
自宅の庭や駐車場でテレワークするならば、自宅に設置したWi-Fiの電波が届く可能性がありますが、自宅から遠く離れた場所ではそれ以外の接続環境を用意しなければなりません。
最も手軽なのはスマートフォンに備わっている「テザリング機能」を利用する方法です。テザリングとは、スマートフォンなどのデータ通信端末を利用して、パソコンやタブレット端末などをインターネットに接続すること。スマートフォンの契約内容によっては追加料金不要で利用できることもあるため、現在の契約内容やテザリング利用時の料金などを携帯電話会社に問い合わせてみるとよいでしょう。
データ通信専用端末をUSBや無線でパソコンやタブレット端末に接続してインターネットに接続する方法もあります。モバイル通信サービスを新たに契約したり専用端末を購入したりする必要がありますが、通信量によってはスマートフォンのテザリング機能を使うよりも費用が抑えられることもあり、あわせて検討したいところです。
PCや周辺機器を使うための電源
業務内容によってはパソコン以外にも外部モニターやプリンターといった周辺機器を使うことがあり、これらを動かすための電源が必要になります。
キャンピングカーには大抵の場合インバーター付きのサブバッテリーが搭載されているため、自宅と同じようにこれらの機器を使うことができます。もしサブバッテリーを搭載していない車両であれば、オプションで設置できるので販売店に相談してみましょう。
サブバッテリーは容量も考える必要があります。電力の供給量と消費量を把握しておくことが重要で、足りない場合は増設することを検討します。ソーラーパネルとの組み合わせでさらに長時間の使用が可能になります。
キャンピングカーのメインバッテリーを使うこともできますが、エンジンを常時動かしておく必要があり、長時間のアイドリングは周囲に迷惑をかけることがありますのでおすすめしません。
なお、利用料がかかるためテレワークする場所としてはあまり一般的ではありませんが、キャンピング場やVRパークであればキャンピングカーに外部電源を取り込めるため、電力を気にせず安心して長時間、機器を使うことができます。
安定したテーブルがあると捗る
安定したテーブルやデスクがあると仕事が捗ります。運転席のシートやソファで膝にパソコンを置いての作業は、短時間ならともかく長時間となると疲労が重なり、作業効率も悪くなりがちです。
その点、キャンピングカーにはテーブルがはじめからセットされていることが多く、そのままでもパソコン作業はそれなりに快適。しかし、より快適なパソコン作業を望むのであれば、可動式の補助テーブルや、パソコンの角度を調節するアイテムを追加するとよいでしょう。テーブルにもワンポールタイプや壁に取り付けるタイプなどさまざまな種類がありますので、備え付けのテーブルが使いにくい場合は、作業しやすいものに交換してしまうのも一つの手です。
これからキャンピングカーを新たに購入するという場合は、テーブルのタイプや機能、高さ、大きさ、椅子との距離など、テーブルの使い勝手もチェックしてみましょう。
快適さを求めるなら明るい照明が欲しい
キャンピングカーでのテレワークにおいて見逃しがちなのが照明です。もちろんキャンピングカーには照明は装備されていますが、室内全体を照らすルームランプがほとんどで、手元を照らす照明はないこともあります。
車外と隔離されたキャンピングカーの室内は、仕事に集中するという意味では最適なのですが、ルームランプ程度ではオフィスのような十分な光量が得られません。そのままだと目に悪いだけではなく、肩こりや頭痛を誘発したりストレスを感じるようになって仕事の効率も悪くなりかねません。
そのような事態にならないように、後付けのLE?ランプや家庭で使用するようなスタンドタイプの照明を事前に用意しておいた方がよいでしょう。
夏場はエアコンが欲しい
夏場の車内テレワークにはエアコンが必須ともいえます。特に日中の車内は非常に高温になるため、空調無しで長い間居続けると熱中症になる可能性が高く、危険です。
窓を開ければしのげる季節であっても、雑音や通行人の存在が気になったり、雨が吹き込んできたりして仕事に集中できない状況もあるため、そのようなケースも考えてエアコンを装備しておくことをおすすめします。
この場合のエアコンは、ベース車自体に装備されているカーエアコンではなく、エンジンが停止している時にサブバッテリーで稼働する家庭用のエアコンです。カーエアコンだとエンジン動作時にしか稼働しないため、マナーの観点からも長時間の使用は好ましくありません。
なお、冬場にはFFヒーターが効果的で、エアコンと合わせて標準装備されているキャンピングカーが多いのですが、装備されてなければオプションで追加装備しておきましょう。
キャンピングカーにはテレワークの基本装備がほぼ揃っている
低価格モデルやカスタマイズを前提にあえて装備を省いているキャンピングカーもありますが、標準的な仕様のキャンピングカーには、今回ご紹介したテレワークに必要な装備がほとんど揃っています。もし装備されていなかったり機能面で満足できないものだった場合は、オプションで追加したり、場合によってはDIYするなどして改善を図りましょう。
衣食住のすべてが揃った完全な個室が作れ、ロケーションも自由に選べるキャンピングカーでの車内テレワークは、工夫次第ではオフィス以上の生産性をもたらせてくれる可能性もあります。