ここではキャンピングカーの人数について解説します。キャンピングカーで家族旅行を楽しみたいと考えるときに「キャンピングカーは何人乗れるのか」「家族人数に対応した車種が分からない」などの悩みがあるのではないでしょうか?
キャンピングカーは内外装が架装・交換されている特殊な車両なので、どれくらいの人数が乗れるのか・寝られるのか、一般の車と比べて分かりにくいものです。
そこでこの記事では、キャンピングカーを人数で選ぶときに必要な知識と、使用人数に合わせたおすすめの種類を紹介します。ぜひ、はじめてのキャンピングカー選びの参考していただければと思います。
キャンピングカーの定員には「乗車定員」と「就寝定員」がある
キャンピングカーの人数を決めるのは「乗車定員」と「就寝定員」です。キャンピングカーはベースとなる車をカスタムしている場合がほとんどですが、ベース車の乗車定員がそのまま引き継がれるわけではありません。
キャンピングカーを選ぶときには、何人が乗るのか、何人が車内で寝るのかを想定し、それに対応する車種を選ぶ必要があります。
- 乗車定員
- 乗車定員とは、車として乗れる人数のことです。一般的な車であれば軽自動車で4人、ミニバンで7人といったもの。キャンピングカーの場合は、車内にキッチンなど生活空間として設備を導入する関係で、ベース車両の座席を減らしている場合があります。
- 就寝定員
- 就寝定員とは、文字通り車内で寝られる人数のことです。キャンピングカーとして登録された車両(8ナンバー車)の場合、就寝定員は乗車定員の3分の1以上と定められています。走る生活空間と言われるキャンピングカーの魅力は、寝るためのスペースが備わっていること。ベッドには常設タイプとソファベッドタイプがあり、車種選びの際、ひとつの検討材料となります。
キャンピングカーの種類で定員は異なる
キャンピングカーには、軽自動車をベースとした軽キャンパーから、マイクロバスをベースとしたバスコンまでさまざまな種類が存在。種類ごとに乗車定員と就寝定員がある程度決まっています。
シンプルに家族の人数で選ぶのもよいでしょうし、キャンピングカーでどんな旅をしたいか、家族にどんな空間を提供したいかで車種を選ぶのもおすすめです。
【人数別】おすすめのキャンピングカーの種類
ここからは、家族の人数に合わせたおすすめのキャンピングカーの種類を紹介します。
キャンピングカーを選ぶときに、家族の人数に応じてどの種類を選べばよいかは迷うもの。選ぶポイントと家族スタイルによってどのように活用されているかを解説するので、ぜひ参考にしてください。
2人【軽キャンパー】
軽キャンパーは2人での利用に適しています。乗車定員と就寝定員が最大4人までのタイプもありますが、居住空間の広さを考慮すると4人では手狭になる可能性が高いです。
軽キャンパーには、遊び心が取り入れられた設備や、趣味で活用しやすい工夫がされている車種が豊富にあるのも魅力です。そのため、アウトドアが趣味の方によく活用されています。釣り場所での快適空間、軽キャンパーならテントを張らずにバーベキューできる車種も。夫婦で趣味の楽しみを広げたい方におすすめです。
3~6人【バンコン】
バンコンはほとんどの家族に適した車種です。なぜなら日本の平均世帯人員は約2.5人のため。ハイエースなどの大きなバンをベースにしているので、居住空間も広々と快適に使えます。
バンコンは居住スペースを広く設けているので、乗車定員は5~8人で就寝定員は3~6人が標準的。また、バンコンは車内を改装してキャンピングカー仕様に仕立てたタイプなので、ベースとなる車の走行性能を極端に落としません。そのため、走行中も快適に旅を楽しみたい方にもおすすめです。
4~8人【キャブコン】
4~8人の家族にはキャブコンがおすすめ。キャブコンはトラックなどをベースに、居住空間となる箱型のシェルを架装して作り上げたタイプです。キャブコンの特徴はなんと言っても居住空間の広さ。空間の活かし方もアイデア次第で豊富にあり、キャンピングカーの醍醐味を存分に味わえるでしょう。
運転席の上にはバンクベッドという就寝スペースがあり、子どもにとっては秘密基地のようなワクワクするスペースです。収納スペースもたっぷり。キャンピングカーで北海道1周など長期間の旅をしたい方にもおすすめです。
6~10人【バスコン】
乗車定員が6~10人のバスコンなら、夫婦の両親を交えての旅にも十分に対応できるでしょう。人を乗せて走ることを目的としたマイクロバスがベースなので、大人数の旅でもその乗り心地は快適そのもの。広さや大きさはもちろんですが、バスとしての安定性や走行性能も魅力です。
就寝定員は4~6人と、乗車定員に対して少なめである点に注意が必要です。車種選びの際には就寝定員をよく確認したいところです。
キャンピングカーは場合によっては普通免許で運転できない
軽キャンパー、バンコンであれば普通免許で運転できますが、キャブコンやバスコンは条件によっては普通免許では運転できない場合があります。
普通免許で運転できる・できないを分ける条件は、「車両総重量」が規定値を超えた場合と、「普通免許の取得日」の2つです。
普通免許は2007年と2017年に改正され、その内容は以下の通り。
- 2007年6月1日以前 乗車定員10人以下 車両総重量8t未満
- 2007年改正内容 乗車定員10人以下 車両総重量0t未満
- 2017年改正内容 乗車定員10人以下 車両総重量5t未満
上記のとおり、免許の取得日によっては中型免許や準中型免許が必要になる場合もあるでしょう。改正の内容から、2007年6月1日以前に普通免許を取得していた場合は、ほとんどのキャンピングカーが普通免許で乗れるのが分かります。
なお、乗車定員が11人を超えるバスコンでも、構造変更で乗車定員を10人以下にすれば普通免許で運転できるようになります。
一緒に過ごす家族のために就寝環境にも気を配ろう
キャンピングカーでは就寝環境を整えることも大切です。なぜなら就寝環境がよくなければ疲れが取れず、翌日の運転に支障をきたしてしまう場合があるから。自分だけでなく大切な家族の命も預かって運転するならば、翌日に疲れを残さない快適な就寝環境を整えることが重要です。
キャンピングカーは寝られるように設計されていますが、「寝るため」に作られているわけではありません。シートやテーブルを組みかえたベッドのままでは、寝心地が悪く感じる場合もあるでしょう。そのような場合のために、枕や車中泊向けのマットレスを用意しておけば車内でも快眠につながります。
翌日の交通安全と、家族全員で思いっきり楽しめるように、キャンピングカーでの就寝環境は整えておきたい大切なポイントです。
家族の人数と必要な居住空間を意識してキャンピングカーを選ぶ
キャンピングカーを選ぶときの基礎知識と、人数ごとのおすすめの種類を解説してきました。ここで家族にぴったりなキャンピングカーを選ぶためのポイントをまとめます。
- 家族の人数によって種類を選ぶ
- 家族の生活スタイルに応じて広めの車種を選ぶ
- 家族が快適に眠れる環境を作れるかどうか
- 欲しいキャンピングカーが自分の免許で運転できるかどうかの確認
- 家族が安眠できる就寝環境を整えられるかどうか
キャンピングカーでの旅や生活を最大限に楽しむためにも、上記のポイントを覚えて、ぜひ家族にぴったりなキャンピングカーを選択してください。