キャンピングカーに電子レンジを置くかどうか迷う方は多いです。あれば何となく便利だということは分かりますが、必須でないなら車内を圧迫するものをあえて置く必要はないと考えるのが普通でしょう。
この記事では、キャンピングカーに電子レンジを置くべきかどうかを判断できるよう、具体的にどのようなメリットが得られるのか、また、設置方法や使用する際の注意点についてまとめました。
キャンピングカーでも電子レンジは使える
そもそもキャンピングカーで電子レンジをきちんと使うことはできるのでしょうか。答えは「使える」です。多くのキャンピングカーにはサブバッテリーとインバーターが備わっており、エアコンや冷蔵庫などと同様に電子レンジも使えます。電子レンジがあれば食べ物や飲み物を素早く温めることができますし、火も使わないので気楽です。
しかし、自宅のキッチンにある電子レンジのように気兼ねなく使えるかというと、それは少し違います。なぜなら、電源供給の問題があるからです。電子レンジは消費電力が特に大きい家電なので、使いすぎればあっという間にバッテリー残量が底をついてしまうでしょう。
したがって、キャンピングカーではバッテリー残量を確認しつつ使うことになります。また、キャンピングカーに置く電子レンジは、シンプルに温め機能のみを備えた1万円~2万円程度の「単機能モデル」を選ぶのが無難です。
多機能で高性能なモデルと違い、レンジ自体のサイズもそれほど大きくないので、置き場所に困ることもありません。ただし、小さすぎるものを選ぶと今度はお弁当などが庫内に収まらない可能性があるため、慎重に選びたいところです。
キャンピングカーに電子レンジを設置するメリット
キャンピングカーに電子レンジを置くメリットは、「すぐに温かい食事が食べられる」「食費の節約」「料理の時短」の3つです。
料理や食事は旅の醍醐味の一つですが、時間もお金も毎度毎度たくさんかけられるわけではありません。そこで電子レンジがあれば、数分で温かい食べ物が用意できますし、お弁当やお惣菜を持参すればお金も大きく節約できます。
- 手軽に温かい食事が食べられる
- 電子レンジの温め機能は実に重宝します。特に、時間が限られている中での食事や、お腹をすかせた子どもに急に食べ物をせがまれたときなどには、持参したお弁当やお惣菜をものの数分でほかほかに温めて出してあげられるのはうれしいポイント。
寒い季節では、冷たい状態で食べるよりも、やはり温かいものの方がよりおいしく食べられますし、体力の回復も早いです。
- 食費が節約できる
- 電子レンジがあれば旅の食費を節約できます。旅先のレストランで食事をするのも贅沢でよいですが、数日に渡る旅となるとそこにかかる費用は高くついてしまいます。
たとえば家族4人でレストランを利用する場合、1人あたり1,500円かかるとすれば、合計で各回6,000円です。余ったおかずやお弁当を家から持参したり、レンジでチンするだけのインスタント食品やレトルト食品をうまく使うことで、半分以下の食費に抑えることも可能です。
- 料理の時短になる
- 電子レンジは料理の時短に効果的です。料理にかかる時間を節約できれば、家族との時間や、自分の自由な時間を増やせます。また、調理器具をたくさん使わなくて済むので後片付けも楽です。せっかくの旅行ですからできるだけ手間をかけずに快適に過ごしたいものです。
キャンピングカーに電子レンジを設置する方法
キャンピングカーを購入する際にオプションで設置する方法のほか、市販の電子レンジを購入してDIYで取り付けたり、車載用のポータブル電子レンジを活用したりする方法もあります。電子レンジの機種にこだわりたい場合や車以外でも使いたい場合、予算を節約したい場合など、希望に合わせて設置方法を選択するとよいでしょう。
- キャンピングカーを購入するときのオプションで設置する
- キャンピングカーを購入するときに、オプションで電子レンジの設置が可能です。購入時のオプションであれば、およそ3万円~7万円で設置できます。インテリアや使い勝手、安全面まで考えてしっかりと設置してもらえるため理想的です。
キャンピングカーの販売店によっては、車両を購入していなくても、後付けで電子レンジを設置してくれるところもあります。設置をプロに依頼したい場合には近くの販売店に相談してみるとよいでしょう。
- 市販の電子レンジを自分で取り付ける
- 予算を節約したい場合や機種にこだわりがある場合は、市販の電子レンジを購入して自分で取り付けてももちろん問題ありません。ただしその場合は、走行時の「揺れ」で動いてしまったり落下してしまったりしないよう対策する必要があります。
具体的には、電子レンジの下に転倒・落下防止マットを敷き、L字金具とネジで家具にガッチリと固定します。コンセントが遠かったり不足していたりする場合には、必要に応じて延長コードを用意したり、コンセントを増設したりします。
- ポータブル電子レンジを持ち込む
- アウトドアで気軽に使えるポータブル電子レンジを購入し、活用するのも手です。たとえばコイズミのWAVEBOXは、DC電源・AC電源の両方に対応し、ワニ口クリップを使って直接バッテリーから給電することも、キャンプ場で車外に持ち出してインバーターコンセント等に接続して使うこともできます。また、車内のコンセントに差し込むだけで使用できるようにする「コンセントコードキット」がオプションで用意されています。
ポータブル電子レンジは持ち運びもしやすく、より手軽な分、出力が弱いというデメリットがあります。
電子レンジを使用する際の注意点
キャンピングカーで電子レンジを使用する際、「電源周波数」「インバーター」「使いすぎ」の3つに気をつけます。これらのポイントを踏まえないと、電子レンジを設置しても、有効に活用することができません。
- 電源周波数を確認する
- 自分の電子レンジの電源周波数が50ヘルツか60ヘルツか、あらかじめ確認しておいたほうがよいです。電気は東日本と西日本で周波数が異なり、東日本が50ヘルツ、西日本は60ヘルツです。サブバッテリーにつないで使う場合には問題ありませんが、キャンプ場などで外部電源を使用する場合、異なる周波数の下で使用すると、性能が低下したり、故障を早めてしまう可能性があります。
なお、電源周波数によって最大出力が変わるヘルツフリーの電子レンジも増えてきています。
- 1,500W以上のインバーターを用意する
- キャンピングカーで電子レンジを使うにはサブバッテリーに加えてインバーターが必要ですが、インバーターは最低でも1,500Wのものを用意することをおすすめします。
電子レンジはダイヤル等で500Wや750Wのように低出力に設定して使うこともできますが、このワット表示は消費電力を指しているわけではなく、実際には表示の1.5倍以上の電力を消費していることが多いです。
肝心なのは電子レンジの裏側や仕様書に記載されている「定格消費電力」。キャンピングカーに電子レンジを設置する際には必ずこの定格消費電力を確認し、電源の定格出力を超えないようにする必要があります。 - バッテリー残量に気をつける
- 電子レンジはバッテリー残量を常に確認しながら計画的に使うとよいです。簡単に使えて便利な電子レンジは、つい普段と同じ感覚で使ってしまいがちですが、電力消費が著しいため何も気にせず使っているとすぐにバッテリーが枯渇してしまいます。電子レンジの扉に「使う前にバッテリー確認」のメモを貼るだけでも、うっかりな事態を防げるでしょう。特に自分以外のメンバーに効果的です。
電子レンジがあると快適な旅ができる
ここではキャンピングカーの電子レンジ設置や使用について解説してきました。
電子レンジがあると、手軽で簡単に温かい食事がとれるだけでなく、食費や調理時間の節約にもなります。消費電力が大きいので使いすぎは禁物ですが、それさえ気をつけていれば電子レンジはキャンピングカーでの旅を実に快適にしてくれます。
もちろん、絶対に必要というものではありませんし、設置するとなるとそれなりにお金もかかるので、メリットと注意点を今一度整理し、ぜひじっくりとご検討ください。