ここでは、キャンピングトレーラーとキャンピングカーの違いについて解説いたします。キャンピングトレーラーの魅力と注意点も併せて紹介しますので、ぜひご覧ください。
海外では、キャンピングトレーラーが広く認知され、活用されています。日本でもキャンピングカーの人気が高まってきたこともあり、伴ってキャンピングトレーラーにも注目が集まるようになってきました。
キャンピングトレーラーとは?
キャンピングトレーラーとは、一言で表すと「移動式のお部屋」です。居住空間であるトレーラーを車で牽引することで、キャンピングカーと同じような楽しみ方ができます。
トレーラーには、乗り降りのためのドアのほか、キャンピングカーと同様にキッチン、ベッド、トイレなど、キャンプや寝泊まりに必要な装備がひと通り揃っています。内部のすべてを居住空間として使えるため、広々としているのが特徴です。
牽引するためには、ヒッチメンバーという器具を牽引する車(ヘッド車)に取り付ける必要があります。
キャンピングトレーラーとキャンピングカーの違い
キャンピングトレーラーとキャンピングカーは、自走できるかどうかという機能面での違いが注目されますが、ほかにも車両価格や車検・保険など、お金の面でも大きな違いがあります。ここからは、それぞれの違いについて具体的に解説していきます。
自走できるかどうか
キャンピングトレーラーとキャンピングカーの一番の違いは自走できるかどうかです。キャンピングカーは、居住空間と車としての機能が一体になっています。
一方、キャンピングトレーラーは、居住空間のみとなっており、エンジンなど車としての装備は搭載されていません。そのため、キャンピングトレーラーだけでは走行することができず、トレーラーを牽引するヘッド車が必要です。
ヘッド車が1,800cc以上のクラスならば、人気のある大半のトレーラーを引っ張れるでしょう。またトレーラーのなかには、軽自動車でも牽引できるモデルがあります。
車両価格
キャンピングトレーラーはエンジンなど車としての装備がないため、車両価格がキャンピングカーと比べて安価です。比較すると以下のようになります。
【キャンピングトレーラーの車両価格比較】
キャンピングトレーラー | キャンピングカー | |
軽キャンパー | 100万円~200万円 | 200万円~400万円 |
バンコン | 150万円~200万円 | 400万円~750万円 |
キャブコン | 150万円~500万円 | 450万円~1,000万円 |
※キャンピングカーのサイズに近いトレーラーとみた場合の比較です。また、価格帯は独自調査によるものであり、正確な金額を表すものではありません。
キャンピングトレーラーは、大きいサイズでも、中古価格で100万円~200万円前後で購入できるモデルが多いことが魅力です。キャンピングカーまでは費用面で厳しいと感じている方にとって、キャンピングトレーラーは魅力的なものといえるでしょう。
車検・税金・保険
キャンピングトレーラーとキャンピングカーでは、車検・税金・保険にも違いがあります。トレーラーの場合、自動車税・重量税・自賠責保険など、総じて維持費がキャンピングカーと比較すると安くなる傾向です。
安くなる理由として、トレーラーにはエンジンが搭載されていないこと、重量がキャンピングカーと比較して軽いことが挙げられます。エンジンなどがないことで、車検の検査内容も簡単です。
保険については、任意保険でキャンピングカーと異なる点があります。それは、対人・対物保険が必ずしも必要ではないことです。トレーラーは、万が一事故が起きた場合、ヘッド車の保険内容が適用されます。そのため、トレーラーの対人・対物を外すケースが多いです。
キャンピングトレーラーの魅力
キャンピングトレーラーには、キャンピングカーとは違った魅力があります。活用することで、旅先や日常生活の幅が大きく広がることでしょう。
ここでは、キャンピングトレーラーの魅力である「旅先での自由度」「居住スペースの広さ」「維持費の安さ」について解説していきます。
旅先での自由度が上がる
キャンピングトレーラーは、ヘッド車と切り離すことが可能であり、旅先の活用の幅が増え、自由度が向上します。具体的には、トレーラーを旅先の拠点にし、移動はヘッド車でおこなうといった活用が可能です。
ヘッド車ならば小回りも利き自由に移動できる場所が多いため、観光や買い出し、銭湯の利用など、現地での行動の幅が大きく広がります。
居住スペースが広い
キャンピングトレーラーは自走に必要な装備や運転席なども不要なため、トレーラー内のほぼすべてが居住空間として利用可能です。そのため居住空間のアレンジもしやすく、自分好みの空間にしやすいのも魅力といえます。
また、日常では庭先に止めてトレーラー内を書斎にしたり、ひとりの時間を過ごす空間にしたりといった活用も可能です。
イニシャル&ランニングコストが安い
キャンピングカーとの違いでも触れたとおり、キャンピングトレーラーは維持費が安いことが魅力です。ここでは、より具体的に金額の比較をしていきます。
キャンピングトレーラー | キャンピングカー | |
自動車税 | 約10,000円 | 約5,000~50,000円 |
重量税 | 約8,000円 | 約6,600~32,800円 |
自賠責保険 | 約60,000円 | 約100,000~200,000円 |
※自動車税は重量を1,000kg以下、13年未満、エコカーでない場合で比較しています。
※キャンピングカーの最低金額は軽キャンパーを参照しています。
※金額は独自調査による目安です。正確な金額を表すものではありません。
上記の金額のほかに、メンテナンス費用などを加えて想定したキャンピングトレーラーの年間維持費は約4万円~5万円が目安です。キャンピングカーの目安は、年間で約30万円~50万円と想定されるため、トレーラーの維持費の安さが際立ちます。
キャンピングトレーラーの注意点
キャンピングトレーラーには、運転技術の違いや走行中のルールなど、覚えておきたい注意点もあります。知らなかったばかりにトラブルに見舞われたり、最悪、罰則を受けてしまうこともあるため、必ず把握しておきましょう。
普通車とは違った運転技術が必要
キャンピングトレーラーは、まっすぐ進むぶんには普通車と大きな違いはありません。しかし、曲がるときとバックするときは、普通車とは少し違った運転技術が必要です。
曲がるときは内輪差に注意して、少し大きくふくらむように曲がることを意識します。大型トラックやバスほど大きく曲がる必要はないため、ある程度経験を積めばスムーズに曲がれるようになるでしょう。
バックは慣れが必要です。バックするとき、トレーラーの動きは普通車とは逆になります。ヘッド車とトレーラーの動きを覚えると比較的短い時間で慣れてくるため、動画などで予習しておくとよいでしょう。どうしてもうまくいかない場合には、トレーラーを切り離して手で動かす方法もあります。
走行中に人を乗せられない
キャンピングトレーラーは、走行中にトレーラー内に人を乗せることができません。人が乗ってしまうことでトレーラー内の重量バランスが崩れてしまい、スネーキング現象を引き起こしてしまうからです。
スネーキング現象とは、重量バランスが崩れることによって、ヘッド車とトレーラーが蛇行してしまうことです。人が1人乗っただけでもバランスが崩れることがあるため、十分に注意しましょう。
場合によっては牽引免許が必要
車両総重量が750kg以上のキャンピングトレーラーを牽引する際は、牽引免許が必要です。サイズが大きくなると、より高度な運転技術が求められるからです。
牽引免許の取得方法には、運転免許試験場で技能試験を受験して取得する方法(一発試験と呼ばれている)と、自動車教習所に通って牽引免許を取得する方法の2通りがあります。
一発試験は費用が約7,000円と安いのですが、難易度が高く、合格率は20~25%程度とされています。
一方、教習所に通う場合、費用は10万~15万円と高額で、合計で12時間の技能講習を受講する必要がある(1日2時間受講したとして約1週間)ものの、より確実に取得できます。
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駐車場所に気をつける必要がある
キャンピングカーに比べると、トレーラーは駐車場所に困る場合が多いです。
キャンピングトレーラーを引っ張っていると、車長がトレーラーのぶん長くなり、連結部を含めるとほとんどが5メートルを超えます。自宅に駐車スペースがあれば問題ありませんが、そうでない場合は契約駐車場の管理会社に問い合わせるなどの対応が必要です。
キャンピングカー保管用のモータープールを活用する方法もあります。入出庫の記録の必要があるなど手間や費用はかかりますが、充電や排水ができる設備があるなど、メリットも豊富です。
キャンピングトレーラーなら今の車を活かして購入できる
キャンピングトレーラーとキャンピングカーの違いについて解説してきました。
トレーラーはキャンピングカーと比較すると購入費と維持費が格段に安いため、キャンピングカーを費用面であきらめていた方には魅力的といえるでしょう。
運転技術や駐車スペースなど考慮するポイントはありますが、今の車を活かしながら活用できるのは大きなメリット。キャンピングカーのひとつの形として、ぜひトレーラーも候補に入れてご検討いただければと思います。