キャンピングカーのベース車に焦点を当て、メーカー・車両タイプ別におすすめの7車を公開します。
快適な車旅や車中泊のお供として、確固たる市場シェアを獲得しているキャンピングカー。我が国のキャンピングカーは、一般車両とは異なる生産体制によって製造されている特殊な乗用車です。その多くは、顧客の要望を受けた各ビルダーがメーカー車を土台に、キャンピングカーとして架装・販売するサイクルで成り立っています。
【メーカー別】キャンピングカーのベース車一覧
キャンピングカーの主なベース車を一覧にしました。
メーカー名 | 車種 | |
国産車 | トヨタ | ハイエース、カムロード、タウンエース、ライトエース、アルファード、ノア/ヴォクシー、コースター、グランドハイエース |
日産 | セレナ、バネット、キャラバン、クリッパー、キューブ、アトラス、シビリアン、NV100、NV200、NV200(バネットワゴン)16X-2R、NV250、NV350キャラバン | |
HONDA | フリード、ステップワゴン、バモスホビオ、アクティバン、N-VAN、NBOX | |
MAZDA | ボンゴトラック、スクラム、ボンゴバン | |
SUZUKI | エブリィ、キャリィ、ハスラー、ハイゼット、スペーシア | |
ISUZU | ビーカム、エルフ | |
三菱 | タウンボックス、デリカ、デリカD3 | |
三菱ふそう | ローザ、キャンター | |
輸入車 | フィアット | デュカト、フィアットデュカト |
ベンツ | ベンツ | |
フォルクスワーゲン | フォルクスワーゲンT6 | |
フォード | フォード | |
クライスラー | クライスラー |
国内・海外の主力メーカーごとに、数多くの人気車種がベース車として重宝されています。
キャンピングカーに見合う車両を選ぶ際は、メーカー別の特徴をはじめ、以下の多様な側面からも検討するようにしましょう。
- 走行性能
- ボディサイズ
- 価格
- 乗り心地
- 燃料消費率
- 乗車(就寝)定員
- シチュエーション
【タイプ別】バンコンの定番&人気ベース車
バンコンのベース車両には、国産の軽自動車から高級外車まで、多種多彩なラインナップが揃っています。
バンコンとは、バンやミニバン、ワゴンなどを架装メーカーが改造(コンバーション)した車両全般のことです。日常使いと旅先の双方で活躍するバンコンは、国内で最もスタンダードかつ勢いのある車両タイプです。
トヨタ ハイエース
不動の地位を確立しているハイエースは、キャンピングカーのベース車を象徴しています。バンライフスタイルに合わせた幅広いカスタム性や、室内空間の快適さに定評があります。
ハイエースはボディサイズやエンジン、駆動方式、カスタムパーツなどのバリエーションが多く、オリジナリティを出したいキャンパー向きの車種といえます。
活用範囲の広い大容量の居住スペースは、アウトドアからワークスタイルまで自由なシートアレンジが可能。もとより車本来の走行性・積載性・安全性の高さが、ベース車のトップランナーに押し上げた要因となっています。
ハイエースのおすすめポイント
- 同車種でもサイズや装備品などの種類が豊富にある
- 実用的かつ汎用性の高さがトップクラス
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日産 NV200バネット
日産 NV200バネットは、手の届きやすいサイズ感や価格を強みとするコンパクトモデルです。全長4.4mのボディに対して、ゆったりとした広い荷室空間は使い勝手がよく、商用バンならではのスタイリッシュさも兼ね備えています。一般的なミニバンを上回る大容量と機能性を武器に、キャンピングカーとして遊び倒したい方におすすめのベース車となっています。
日産 NV200バネットのおすすめポイント
- 小柄でありながら、広々とした荷室はあらゆるニーズに対応可
- 機能美と快適性を重視した内装デザイン
【タイプ別】キャブコンの定番&人気ベース車
キャブコンのベース車両は、1~1.5トン積みの小型トラックを主流に、ハイエースベースのキャンピングカーも含まれます。
キャブコンとは、トラックの荷台にキャビン(居住空間)を架装した車両全般のことです。“おでこ部分”の張り出しはキャブコンを特徴づけるシンボルであり、このバンクベッドスペースを含めた室内の開放感を最大の魅力としています。
トヨタ カムロード
トヨタのカムロードは、キャブコンのベース車両として群を抜いて人気を得ています。
カムロードは、同メーカー・ダイナを源流に、キャンピングカーのベース専用車両として独自開発されました。「Camper(キャンピングカー)」に「Roadability(走行性能)」を掛け合わせた造語でもあるカムロードは、長らく国産キャブコンを下支えしてきた母体といえます。カムロードはキャンピングカー用に特化した特別仕様車のため、個人の嗜好に合わせたベストな選択ができるのが魅力です。
トヨタ カムロードのおすすめポイント
- キャンピングカー専用の内装と装備品が揃っている
- 快適な居住性により長期滞在向き
いすゞ ビーカム
いすゞのビーカムは、同社の小型トラック・エルフを特別モデルに作り変えた、キャンピングカーのベース専用車です。同クラス最高の低燃費を誇るディーゼルエンジンに、最高出力が110kw(150PS)となるよう新たに改良が加えられたビーカム。重量が大きくなりがちなキャンピングカーでも、ストレスのない走行環境を実現してくれるのが特徴です。
いすゞ ビーカムのおすすめポイント
- キャンピングカーの運転に適したパワフルな動力性能
- ブレーキシステムなどの安全装備が充実している
【タイプ別】軽キャンパーの定番&人気ベース車
軽キャンパーは、車全体がコンパクトでありながら、居住空間は意外なほど広く、キャンピングカーの概念を覆すほどの魅力を秘めています。
軽キャンパーとは、キャンピングを目的に軽自動車や軽トラックを改造した車両全般のことです。比較的安価で扱いが手軽なことから、ライトユーザーを中心に引っ張りだこの車両タイプとなっています。
スズキ エブリイ
スズキのエブリイは、室内長と室内幅が広く形取られたワンボックス型の軽自動車です。収納力と工夫を備えた荷室は多彩なシートアレンジが可能で、アウトドアや車中泊にも適しています。軽ならではの軽快なドライビングと小回りの良さが自慢のエブリイは、どんな路面状況でも運転がラクラク。キャンプアイテムや荷物一式を積載していても、スムーズな走りを実現してくれます。
スズキ エブリイのおすすめポイント
- 軽の中でも最大級の荷室長と床面積を誇る
- 普段使いからレジャー、仕事部屋まで多目的に使用可能
スズキ キャリイ
軽トラックというジャンルの代表格であり、頑丈なボディと荷台装備の充実さが魅力のキャリイ。軽量かつ安価な上に、カスタムパーツが数多く市販されているキャリイは、キャンパーからの人気が高いベース車の1つです。重量バランスに優れたショートホイールベース車として、雪道やあぜ道を難なく越えていく点もキャンピングカーと好相性といえます。
スズキ キャリイのおすすめポイント
- 軽量で小回りが利くため、狭い道や悪路に強い
- 荷台が低く、キャンプ道具の積み下ろしが容易
【タイプ別】フルコンのおすすめ海外ベース車
フルコンとは、エンジンや可動部を除くすべてを、一から設計・製造したキャンピングカーのことです。広々とした車体にはリビングスペースやキッチン、トイレ、シャワールームを備え、ホテルのように豪華な内装を強みとしています。
フルコンは、キャンピングカーの最上級グレード車として日本では希少なカテゴリーに属しますが、2022年のキャンピング市場へ新たに切り込んだのが「フィアット デュカット」です。
デュカトは「イタリア版ハイエース」と評されるように、先進的なデザインとテクノロジーを持ち味とする欧州のベストセラーカーです。幅広いカスタムに対応するボディタイプに、最高出力180psのMULTIJET3ディーゼルエンジン、そして刷新されたインテリアの魅力が、まもなく日本市場でも解き放たれようとしています。
ベース車を知ればキャンピングカーが10倍楽しくなる
キャンピングカーには、軽自動車ベースから大型マイクロバスを土台に架装したものまで、さまざまな車両のタイプがあります。「ベース車が先か?それとも内装やレイアウトの選択が先か?」キャンピングカーの選び方は人それぞれですが、ベース車のサイズや走行性能、価格などを知ることで自分好みの一台に出会えるかもしれません。