キャンピングカー購入後は、定期的なメンテナンスをおこなうことでベストな状態を保つことができます。メンテナンスをしっかりすることで、車体の不具合にいち早く気づけるので、安全面を考えても必要不可欠です。
どのようなメンテナンスを、どうやっておこなえばいいのかを知ることで、計画性を持つことができます。そこから、自分に合ったスケジュールを立てて、キャンピングカーのコンディションを維持していきましょう。
この記事では、メンテナンスする箇所や理由を、方法や期間に分けて解説します。
定期的におこないたいキャンピングカーのメンテナンス【掃除編】
キャンピングカーの洗車や掃除を定期的におこなうことは、車体を綺麗にして長持ちさせるだけでなく、安全性にもつながります。汚れは長期間放置すると落とすのが大変になるので、使用するたびにこまめに手入れするのがポイントです。
洗車は重要なメンテナンスの一つ
メンテナンスの中でも重要な役割を持つのが洗車です。定期的に洗車をすることで汚れをこまめに落とすことができ、頑固な汚れをつきにくくします。
洗車は単に汚れを落とすだけではありません。フロントガラスやサイドミラーなどに汚れがあると、運転に支障をきたす場合があります。車体を綺麗にすることは安全な走行につながるのです。
また、部品やパーツの点検をする際にも、汚れがあると見えづらくなってしまいます。そのため、小さな傷や劣化している部分に気づかないまま運転し、故障や事故の原因になる可能性があります。ボディが大きいキャンピングカーにとって、作業が大変で時間もかかってしまう洗車ですが、重要度が高いメンテナンスの一つです。
車内をしっかり掃除&換気する
キャンピングカーは普段の車と比べて使用頻度が低いので、車内に湿気がこもりがちです。湿気がこもると匂いが気になるだけでなく、湿気に弱い車内の部品にも悪影響を及ぼす可能性があるため、こまめに換気をしましょう。
また、車内に砂や髪の毛、食事の際の食べかすなどを放っておくと汚れが目立つだけでなく、カビが生える原因にもなりかねません。掃除は隅々までしっかりとおこなうことが大切です。
あれもこれもと必要以上に物を持ち込まず、キャンピングカーに置くものは厳選しておくなど、工夫をすることで掃除がしやすくなります。さらに、物が少ないと空気の通りがよくなるため、短時間で湿気や匂いが取れやすくなるでしょう。
タンクの洗浄は乾燥までしっかりとおこなう
タンクを洗浄した後は、しっかりと乾燥させることでカビの発生を抑えることができます。また、給水タンクは使用していなくても定期的な洗浄や、中の水を入れ替えることが大切です。カビだけでなく雑菌が繁殖する原因を防げます。
排水タンクも同様に、使用後はただ捨てるだけでは綺麗になりません。中まできちんと洗浄し、しっかりと乾燥させることで清潔さを保てます。また、トイレの汚物を溜めるブラックタンクは、匂いや汚れが取れなくなるので少量でも必ず洗浄するように気をつけておきましょう。
定期的におこないたいキャンピングカーのメンテナンス【点検編】
各部品が正常に機能しているか、汚れや傷はないかなどの点検もとても重要なメンテナンスです。定期的な点検をすることで、異常を見つけやすくなるだけでなく、安全な走行にもつながります。
タイヤの点検は3カ所を重点的に
タイヤのメンテナンスは「空気圧」「溝の深さ」「亀裂や傷」の3つが重要です。
まずは、タイヤに空気が十分に入っているかを確認しましょう。空気圧が不足すると、バースト事故などを引き起こす可能性があり命に関わります。また、空気圧が適正だと燃費や乗り心地も変わってくるのです。
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次に、タイヤの溝を確かめます。スリップサインを見て消耗していないかをチェックします。タイヤの側面にある三角印の延長線を辿ると溝があり、この溝の奥にあるゴムの盛り上がった部分を見ることで、すり減っていないかを判断します。
スリップサインが現れた場合は「走行によりスリップする危険性がある」ということを意味します。溝の深さが1.6mm以下になると道路交通法違反になるので注意が必要です。
最後に、タイヤに亀裂や傷がないかもチェックしておきましょう。タイヤ自体に傷はなくても、タイヤ周辺に釘や石などがある場合は、当たらないようにとっておくと安心です。
そして、タイヤのゴムは使用していなくても劣化していくことを頭に入れておきましょう。ずっと乗っていないからと言って安全というわけではありません。キャンピングカーだけでなく車に乗るうえでは、タイヤの点検は命を守る大切なことです。
バッテリーの残量や異常がないか確認する
バッテリーの容量を管理するのは難しいですが、日頃から使用頻度などに注意し、電力の消耗が早いと感じたら早めに交換するようにしましょう。交換時期を過ぎて使用すると、液漏れや充電ができないといった問題が出てきます。
バッテリーの交換目安は2~3年ですが、使用状況などにより大きく前後します。
マフラーにサビがないか確認する
マフラーは思っている以上に錆びるのが早いため、見落とさないように注意が必要です。錆びたところから穴が開いたり、落下の原因になることもあります。
特にトラックがベースになっているキャンピングカーは、リヤマフラーを延長している場合があります。腐食しやすいのでさらに気をつけておきましょう。
エンジンを確認する
エンジンの点検ポイントは「音を聞くこと」と「エンジンオイルの確認」の2つです。故障したり、どこかに不具合が生じている場合はいつもと違う音がする可能性があります。エンジンをかけた時だけでなく、走行し始めの時は、音楽などをかけずに車体から出る音を聞くようにしてみましょう。
また、エンジンオイルは車のコンディションを保つ上では欠かせない存在です。綺麗なエンジンオイルは故障のリスクを減らし、パーツの消耗も防いでくれます。しかし、オイルなので走行していなくても空気などで酸化してしまいます。オイル交換の時期を把握して忘れないようにしましょう。
バックカメラの映りを確認する
バックカメラは、ルームミラーで後方確認できないキャンピングカーにとって必要不可欠です。カメラレンズの汚れはないか、画面に傷がないかなどを確認しましょう。
走行する前に正常に機能しているか確かめておくことで、いざという時に慌てることがありません。特に雨の日など、水滴で映像が見づらいこともあるので、ガラス撥水剤などを使用すると安心です。
キャンピングカー使用後のメンテナンスポイント
汚れをそのままにしておくことは、故障の原因や汚れを蓄積することになるため、使用後のメンテナンスも重要です。次回使用するまでに、期間が開くことも多いキャンピングカーだからこそ、使用後はしっかりと掃除や点検をしましょう。
楽しい旅の後にも、きちんとメンテナンスしておくことで、次の旅を安全に快適に過ごせます。ここでは、見落としがちなメンテナンスポイントを3つご紹介します。
冷蔵庫の清掃
後片付けで見落としがちなのが冷蔵庫です。冷蔵庫を清掃する際は、食品などは全て出してから庫内を綺麗にしましょう。長期間そのままだと衛生的によくありません。中に食品を残さないようにすることが大切です。
また、電源を落とし、扉を開けて乾燥させておくと清潔さを保てます。次回使用する時まで開けっ放しでも問題ありません。
日焼けから守る
ボディのカラーによっては、紫外線で日焼けしてしまい、変色することがあります。長い期間使用しない場合は、駐車場での車の向きを定期的に変えるなどして、同じ部分が紫外線を浴びないように工夫しましょう。
また、車内にある物やシートなども日焼けで変色や変形する可能性があります。窓からの紫外線を遮る日除けグッズなどを利用することで、ある程度防ぐことができます。日除けグッズは、車内で過ごす際の目隠しとしても使用できるので、持っておくと便利でしょう。
樹脂系パーツの劣化と交換
フックやドアノブなどの樹脂で作られているパーツは紫外線に弱く、劣化しやすいです。パーツが劣化することで、思わぬ事故や怪我につながる恐れがあります。また、紫外線だけでなく雨風の影響も受けて、割れたり折れたりすることもあるのです。定期的に確認し、傷んでいる部分があれば早めに交換をしましょう。
期間別キャンピングカーのメンテナンス
車体の部品には、それぞれ適切な交換時期があります。交換時期は使用頻度により前後することがあるので、あくまでも目安としておきましょう。使用頻度や地域ごとの気候も踏まえて、定期的にメンテナンスをすると安心です。期間ごとに区切って計画しておくことで、メンテナンスのし忘れを防止できます。
半年ごとのキャンピングカーのメンテナンス
ワイパーは熱や雨に弱いため、半年を目安に交換をおこなうようにしましょう。機能していない消耗したワイパーでは、特に強い雨の日は安全な走行ができません。
また、冬には雪対策用のゴムが厚い冬用ワイパーを使うなどして運転に支障が出ないようにしましょう。気候はお住まいの地域ごとに違うので、必要なアイテムも変わってきます。適切なものを使用し、季節に応じて変更することも大切です。
冬季のキャンピングカーのメンテナンス
季節によるメンテナンスで気をつけたいのは冬季です。地域によってはタイヤの交換が必要になります。雪が多い地域で運転する場合や、高速道路で冬用タイヤが必須の場合などは安全に走行するために必ず冬用タイヤに交換しましょう。
また、タイヤだけでなく冬場はウォッシャー液にも気をつけなければなりません。ウォッシャー液は、フロントガラスやリアガラスの汚れを落とすために使用します。ガラスの汚れを落とすことは、視界を良好にし、安全な運転につながります。しかし、雪の多い地域ではウォッシャー液自体が凍ってしまうこともあるのです。必要があれば氷点下でも凍らない寒冷地用のものを使用するとよいでしょう。
年1回のキャンピングカーのメンテナンス
ラジエーターのラジエーター液は、定期的な交換が必要です。交換を怠ると、内部が損傷、腐食し、故障する場合もあります。
また、車のエンジンは、長時間走行したり、気温の高い炎天下で走行すると高温になってしまい正常に機能しなくなることがあります。交換時期は、走行距離だけでなく、気温や環境などでも変化するので年に1回は点検をすることが理想です。
キャンピングカーの定期的なメンテナンスが安全で快適な旅につながる
キャンピングカーのメンテナンスポイントや必要性などをお伝えしてきました。
メンテナンスは、車体のコンディションを長く綺麗に保つだけでなく、安心して乗るためには非常に重要です。メンテナンスの方法や必要性を理解することで、計画性を持って掃除や点検をおこなえます。
作業自体が大変なメンテナンスもありますが、そこまで難しいものではありません。自分でできるものは定期的にメンテナンスをおこない、安全で快適なキャンピングカーの旅を楽しみましょう。