キャンピングカーにドライブレコーダーを取り付ける必要性について解説するとともに、製品をいくつかご紹介します。
キャンピングカーは、ルームミラーで後方の確認が難しいだけでなく、普通車に比べて死角が多いことから、補助手段によるフォローが必要です。キャンピングカーと過ごす休暇を、事故やトラブルに遭遇することなく、思う存分に楽しむためにも取り付けを検討しましょう。
また、今日では多種多様なドライブレコータ゛ーが販売されており、購入時におけるチェックポイントや、後方特化型や複数方向対応型のドライブレコーダーをご紹介します。
キャンピングカーへのドライブレコーダー取り付けの必要性
ここでは、キャンピングカーの死角に加えて、ドライブレコーダーのモニター機能や記録機能の有用性について解説します。
大型車両の運転経験のない方が、初めてキャンピングカーを運転した時に、まず後方がほとんど見えないことや死角の多さに驚かれるそうです。車幅などの感覚やハンドリングは、運転経験を積むにつれて上達するものの、後方や死角への不安は経験と関係なくいつまでも残り続けます。
キャンピングカーに潜む死角とは
キャンピングカーは、助手席側のサイドが死角となっています。普通車のように目視で左斜め後ろを確認できないことに加えて、シェルが車体よりはみ出しているタイプでは、ドアミラーの視界が制限を受けているからです。左への車線変更や左折時に、確認が不十分なまま車を移動させると、接触事故などのリスクが高まります。
もちろん、トラックやバスも左サイドに死角がありますが、後方を確認するリアビューミラー、左下部を確認するサイドアンダーミラー、前方下部を確認するアンダーミラーにより、直接目視できない部分を補っています。
普通車より車体が大きいキャンピングカーは、ルームミラーやドアミラーだけでは不十分といえるでしょう。
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今日では記録することが自衛手段にもなる
ドライブレコーダーのモニター機能により、キャンピングカーに潜む死角を補うだけでなく、記録機能によりトラブルや事故時の自衛手段としても活用できます。
ひと昔前は、ドライブレコーダーの記録映像は改ざんされる可能性があるため証拠にはならないと考えられていました。しかし、普及が進んできた現在では、事故時の参考資料として活用されるようになり、事故処理がスムーズに行われる場合もあります。今後も、危険運転の抑止効果や、自衛手段としてもますます期待されてくるでしょう。
また、2017年12月からの貸切バスへのドライブレコーダー設置の義務化をはじめ、2022年5月以降に発売される新型車には「後退時車両直後確認装置(バックカメラ、検知システム又はミラー)」の備え付けが義務化されるなど、徐々にではあるものの法制面の整備も進んでいます。
これだけは知っておきたいドライブレコーダーのチェックポイント
録画性能やカメラの性能、およびGPSなどの機能や、ドライブレコーダー購入時におけるチェックポイントをまとめました。
最近では、様々なタイプのドライブレコーダーが販売されています。モニター機能のない録画機能のみの安価なモデルから、モニター機能・録画機能に加えてGPSによる位置情報も記録するハイスペックなモデルまであり、選択に迷うほどです。キャンピングカーの死角対策も含めて考えると、モニター機能と録画機能がセットになったモデルが必須となります。
画素数と解像度の違い
ドライブレコーダーの性能を端的に表すスペックが、解像度と画素数です。画素数は、「200万画素」のように画素の総数で表示され、一方解像度は、「1,920画素×1,080画素」のようにフレームの幅と高さを用いて表示されています。いずれも、数字が大きいほどより精細な画像が得られます。また、解像度と画素数の関係は以下のとおりです。
解像度1,920×1,080 = 約200万画素 = フルハイビジョン(フルHD)
事故時に相手の車両ナンバーをしっかりと読み取るには、200万画素(フルHD)以上が必要といわれています。現在、その下限値である200万画素のドライブレコーダーが主流です。より精細な画像を求めるなら、200万画素を超える、300万画素や400万画素のドライブレコーダーを選択するとよいでしょう。
WDRやHDR機能は必要
解像度と画素数のほかにドライブレコーダーに必須とされる機能は、WDR機能やHDR機能です。WDRをワイドダイナミックレンジ、HDRをハイダイナミックレンジといいます。実は、WDR機能とHDR機能は、いずれも逆光対策など画像を補正する機能であり、補正方法により名称が異なっています。
車を運転中にトンネルから明るい区間に出た時に、視界が真っ白になった経験を多くの方がお持ちでしょう。この現象を白飛びといいます。これとは逆に、明るい区間からトンネルに入った時に、視界が真っ黒になる現象を黒つぶれといいます。ドライブレコーダーの白飛びや黒つぶれを修正する機能が、WDR機能やHDR機能です。常時、鮮明な画像を記録するためにも、WDR機能あるいはHDR機能が付いた機種を選択するとよいでしょう。
GPSデータや速度の記録があればベター
なかには、映像と同時にGPSデータや速度の記録する機能が付いているドライブレコーダーもあります。GPS機能により、映像箇所の正確な位置情報を取得できるとともに、車の走行速度も記録できます。
キャンピングカーでのドライブは、見知らぬ土地を訪れることが多く、GPSデータがあると事故などの現場を瞬時に特定できる点がメリットです。なかには、映像を見たら分かるという意見もありますが、目印のない森の中や、周りに畑しかない場所で効果を発揮します。また、速度の記録は、事故時において速度を守っていた証拠にもなります。広範囲に移動するキャンピングカーに、GPSデータや速度を記録する機能があるとより安心といえるでしょう。
キャンピングカーに取り付けるドライブレコーダーを紹介
ここでは、後方に特化したドライブレコーダー、ならびに1台の記録装置で複数方向に対応するドライブレコーダーを紹介します。
ドライブレコーダーを選ぶ際に、どこをカメラで映すのかを明確に意識しておきましょう。例えば、左サイドは補助ミラーを取り付けて死角対策を行い、後方のみをドライブレコーダーで補う、あるいは左サイドも含めて複数方向をドライブレコーダーで補うなど、設置目的を考えておきます。
後方特化型のドライブレコーダー
リアモニターとしても使用できる、後方特化型のドライブレコーダーをおすすめします。バックカメラやリアモニターを別途取り付ける必要がなく、かつキャンピングカー運転時の後方確認手段として常時使用可能です。製品の数が多く、予算に併せて選択するとよいでしょう。
- TOSJAPAN ドライブレコーダーミラー型
(出典:TOSJAPAN)- 後方特化型のドライブレコーダーです。モニターをルームミラーに取り付けて、バックミラーとして使用できます。207万画素(フルHD)で、かつ15段階ズーム機能付きです。駐車監視機能やGPS機能(オプション)など、機能が充実しています。
- Yupiteru リア専用 ドライブレコーダー SN-R11
(出典:Yupiteru)- 後方専用のドライブレコーダーであり、200万画素(フルHD)で、視野角最大163°と視野の広さが特徴です。モニターは付属していないものの、無線LANを内蔵しており、スマートフォンやタブレットでライブ映像の表示や、機器の操作ができます。ただし、車内設置型であり、取り付け可能な車種が限定されます。
複数方向対応型のドライブレコーダー
カメラを増設して、前後だけでなく左サイドなど希望の箇所をフォローしたい方や、より安全にキャンピングカーを運転したい方には、複数方向対応型のドライブレコーダーをおすすめします。また、取り付け可能な車種を選ばない、外付けの全天候対応型のリアカメラを使用するタイプを選択するとよいでしょう。
- Yupiteru リア専用 ドライブレコーダー SN-R11
(出典:MAXWIN)- トラックやキャンピングカーなど、大型車両用に開発された複数方向対応型のドライブレコーダーです。フロントカメラと車外リアカメラのセットですが、増設カメラ1台を取り付け可能であり、最大3台のカメラを同時録画します。画質は1,920×1.080のフルHDであり、GPS機能や駐車監視機能が付いており、モニターはルームミラー型です。
MAXWIN SV5-MDR-A002C2A(リアカメラ車外タイプ)
ドライブレコーダーはあくまでも補助手段
ドライブレコーダーは、車両の後方やサイドの死角など、直接見ることができない箇所に対する不安を低減してくれる非常に便利な機器です。車体が大きなキャンピングカーにとって、ドライブレコーダーは必需品といえるでしょう。とはいえ、配線やカメラの取り付け、あるいは電気系統への接続など、複雑な作業が伴います。特に外付けカメラの場合は、ボディーに穴をあける必要があることから、専門店での施工がおすすめです。
カメラやモニターは、あくまでも補助手段にすぎません。安全にキャンピングカーでの休日を満喫できるかどうかは、一人ひとりのドライバーの心がけによります。ドライブレコーダーを取り付けたとしても慢心することなく、交通ルールを守りお出かけしましょう。