キャンピングカーでペットと旅をしたい方に向けて、旅行の注意点を解説するとともに車や装備の選び方を紹介します。
今日では、家族の一員としてペットと一緒に旅行に出かける方が増えているそうです。とはいえ、ペットと泊まれる宿探しや移動に苦労されており、より快適にペットと旅行を楽しめる手段としてキャンピングガーが注目されています。そこで、キャンピングカーでペットと旅行するメリットや最近のトレンド、および注意すべき点や装備をまとめました。
キャンピングカーでペットと旅行を楽しみたい
ペットにとって、よりストレスの少ない自宅と同じような環境を保ちながら移動できる点が、キャンピングカーの何よりものメリットです。また、飼い主にとっても周囲にあまり気を遣うことなく過ごせる点が魅力でしょう。まずは、ペットと一緒にキャンピングカーで旅行する、さまざまなメリットをお話しします。また、実際にペットと旅をしたい方は意外と多く、各種アンケートの調査結果も併せて見ていきましょう。
キャンピングカーでペットと旅をするメリットとは
ペット同伴が難しいので旅行を我慢していた、あるいはペットホテルや親戚に預けてきた方の希望を、キャンピングカーが叶えてくれるでしょう。旅の道中やさまざまな目的地で、ペットと非日常を体験しかつ思い出づくりを思う存分満喫できます。
最近になり、ようやくペットと宿泊可能な施設が増えてきました。とはいえ、数はあまり多くはなく、ペットと一緒に行きたいと思う場所に必ずしも設備の整ったホテルなどがあるとはかぎりません。移動する宿ともいえるキャンピングカーは、宿泊先手配の負担から解放されるとともに、旅行先の選択肢の幅が広がります。
慣れない環境や他のペットのにおいが気になり、ストレスがたまる可能性があります。その点、キャンピングカーは、旅行中も自分や飼い主のにおいのついた空間で過ごせるため、ペットにとっても安心です。
また、ペットは犬や猫だけでなく、ウサギやインコ、あるいはハリネズミなど多種多様であり、それぞれのペットに見合う環境を用意できる点でも、キャンピングカーは適しています。
ペットと旅行したいと思う人は意外と多い
手作りフレッシュペットフードの製造・販売などを手がけている株式会社バイフォリアがおこなった、愛犬との旅行に関する全国調査の結果は以下のとおりです。
(出典:株式会社バイフォリア)
9割以上の飼い主が、愛犬と旅行に行きたいと思い、愛犬と一緒に出かけられる旅先を考慮しています。また、観光場所でペットの制限を受けても連れていきたい、および旅費が高くても連れていきたいと8割以上が回答しています。
(出典:株式会社バイフォリア)
また、連れて行きたいと思う理由として、「家族だから」という思いが最も多く、次いで「愛犬との思い出づくり」が多くなっています。このように、今やペットは家族であり、あたり前のように一緒に旅行する文化が根付いてきているようです。
以下のグラフは、一般社団法人 日本RV協会の「キャンピングカー白書2022」のアンケート結果です。
(出典:一般社団法人 日本RV協会「キャンピングカー白書2022」)
約40%のユーザーが、キャンピングカーの購入理由としてペットを挙げています。現代でキャンピングカーは、ペットとの旅行を叶えるツールの一つです。
キャンピングカーでペットと旅行する際の注意点
宿泊先探しや予約の手間、あるいは交通機関利用時の周囲への配慮から解放されるキャンピングカーですが、ペットにとっては普段とは少し異なる環境にはちがいありません。そのため、ペットと旅行するキャンピングカーならではのトラブルも発生します。ここでは、キャンピングカーを利用したペットとの旅行をより楽しくかつ安全に過ごすために、健康面や安全面の注意点をまとめました。
キャンピングカーでの旅行に慣れさせる
ペットが、初めての環境や慣れないにおいに敏感に反応する場合もあるため、まずはペットにキャンピングカーの車内を普段の生活場所の延長として慣れさせておきましょう。急激な環境の変化に驚かないように、旅行前からペットとキャンピングカーの車内で過ごす時間を設ける、あるいは何回か日帰りドライブを行うなど、徐々に慣れさせる方法もあります。
普段の生活になるべく近づける工夫として、お気に入りのおもちゃやブランケットを持参します。また、ペットの個性により違いがあるものの、犬や猫はキャンピングカーの居室より、使い慣れているクレートやケージのほうが落ち着くそうです。このため、普段使用しているクレートなどを必ず持参します。
トイレや車酔いおよび熱中症などの健康管理に気を付ける
キャンピングカーでのペットとの旅行では、健康管理が特に大切です。トイレは、可能なかぎり普段使用している環境を用意し、場所を覚えさせましょう。屋外で排泄する習慣の場合は、適宜停車して外でトイレを行い、排泄物を回収して持ち帰ります。
ペットの車酔は個体差があるため、一度ドライブに連れて出て、車酔いをするかどうかを確認しておきます。車酔いをする場合は、移動中はクレートやケージを使用する、頻繁に休憩をとる、もしくは動物病院に相談して酔い止めを処方してもらうとよいでしょう。
このほか、車内の温度管理は非常に重要です。熱中症にかからないように、停車中も作動するエアコンを完備するなど温度管理に気をつけます。加えて、車内に放置せず、かならず外に連れて出ましょう。
運転中や停車時の安全に配慮する
キャンピングカーにかぎらず、運転中のペットの行動には注意が必要です。過去には、ペットが興奮してハンドルやブレーキ操作を妨げ、事故に至ったケースもありました。また、乗せ方によっては、警察の取り締まりを受ける場合もあるようです。運転中は、一緒に景色を楽しみたい気持ちを抑えて、クレートやケージで過ごさせるか、リードにつなぐなどして、ペットが運転席に近づかないようにしましょう。
停車時に扉を突然開けるなどの行為は控えます。というのは、扉を開けたとたんにペットが飛び出す可能性があるからです。駐車場での事故を防ぐためにも、クレートやケージの中にいるか、もしくはリードにつながれているかを確認したうえで、扉を開ける習慣をつけましょう。
キャンピングカー選びのポイントとおすすめ車両を紹介
現在、キャブコンやバンコン、あるいは軽キャンパーとさまざまな種類のキャンピングカーがあり、そのうえペットとの旅行を売りにした車両が多数販売されています。実際にキャンピングカーを購入するとなると、どのような装備や車種が最適なのか迷うくらいです。そこで、ペットとの旅行に適したキャンピングカーの装備や、車選びのポイントを解説するとともに、ペットとの旅行におすすめのキャンピングカーをいくつか紹介します。
装備や車選びのポイント
車のサイズ選びでは、小型のペットであれば軽キャンパーからキャブコンまで、どのような車種でも問題ありません。大型犬の場合は、広いスペースをしっかり確保するために、少なくともキャブコンがよいでしょう。キャブコン以上の広さを求めるならバスコンになります。
装備面では、温度管理にエアコンは必須です。騒音の苦情を避けるため、エンジンを停止しても稼働するエアコンを選ぶとともに、大容量のバッテリーと充電用のソーラーパネルを用意します。また、冬場にお出かけするなら、床暖房かホットカーペットを装備するとよいでしょう。
ペットのトイレ置き場には、汚れてもすぐに洗い流せるシャワー室が最適ですが、シャワー室を確保できない場合は、防水トレイを用意しておく方法もあります。
ペットとの旅行におすすめのキャンピングカー3選
キャブコン、バンコン、軽キャンパー、それぞれのタイプの中から、ペットとの旅行におすすめのキャンピングカーを紹介します。
- VANTECH株式会社 CORDE RUNDY(コルドランディ)
(出典:VANTECH株式会社)
CORDE RUNDY(コルドランディ)は、大型防水エントランス、床暖房式のFFヒーター、ペットの毛の侵入をカットする吸排気口フィルターなど、ペットとの旅行を前提とした装備を備えたキャブコンです。
- 株式会社トイファクトリー Bergen With Pet(ベルゲン ウィズ ペット)
(出典:株式会社トイファクトリー) ※画像はベルゲン。
Bergen With Petは、ハイエースをベースとしたペット専用のキャブコンです。汚れにくくかつ汚れが取りやすいうえに、引っ掻きにも強いシート生地を採用しています。また、リアゲートのペット飛び出し防止ネットなど、随所にペットに配慮した仕掛けが施されています。
- オートワン 愛犬くん
(出典:オートワン)
軽キャンパー製造を専門とするオートワンの愛犬くんは、スズキのエブリイバンをベース車とする愛犬専用モデルです。ペット専用の足洗い場や、室内の温度を一定に保つために熱気を排出するベンチレーターを装備しています。
キャンピングカーでペットとかけがえのない時間を過ごそう
家族の一員であるペットとの旅行を楽しむなら、日常的な生活空間の延長でもあるキャンピングカーが最適といえるでしょう。せっかく一緒に旅行するので、より快適に、かつより安全にキャンピングカーを満喫したいものです。そのためには、ペットの健康や安全に配慮し、かつマナーを守りながら旅行を楽しみましょう。ペットと旅を続けて、回数を重ねていくうちに、今まで見たことのない素晴らしい景色に出会い、また思い出を共有するような貴重な時間がきっと得られます。