コロナ渦の密を避けた旅行、災害時の利用などさまざまな用途から近年はキャンピングカーの需要が高まっています。これから購入を考える方が増える一方、ネックとなるのはキャンピングカーを入手するまでの敷居の高さではないでしょうか。一生ものとはいわずとも、キャンピングカー購入は決して安い買い物ではないことを理解しておく必要があります。本記事では情報収集や見学会、レンタルなど事前の準備段階からキャンピングカー購入までのステップを解説しています。キャンピングカーの知識を身に着け、最短距離でお気に入りの1台を見つけてみましょう。
キャンピングカーの情報収集は思っているより手軽
キャンピングカーは自動車メーカーが供給するベース車両をもとにして、ビルダー(キャンピングカーメーカー)が架装をおこない販売されます。オリジナルモデルとして販売されるため、ビルダーやキャンピングカー販売店での購入が基本となります。
近年は人気の加熱にともない独自にキャンピングカーを手掛けるカーディーラーも増えてきました。ただしキャンピングカーを手掛けるカーディーラーはまだ少なく、気軽に利用するのは難しいといえます。中古車販売店でも取り扱いが多いとはいえませんし、一般車とは違い購入先は限られるはずです。一般車両のようにカーディーラーなどでは販売されておらず、中古車販売店でも取り扱いが多いとはいえません。たとえ取り扱いがあっても、中古車販売店ではスタッフの知識が不足して十分な説明を受けるのが難しいなどのデメリットも考えられます。一方で、キャンピングカーに関する情報収集は思っているよりも手軽におこなえます。
インターネットやSNSは気軽に情報収集が可能
コストをかけずにキャンピングカーの情報を収集するなら、インターネットやSNSの利用がおすすめです。キャンピングカーの売り上げに比例して、個人で情報発信をおこなうブロガーやYouTuberも増加してきました。特に動画で配信されるYouTubeはキャンピングカーの仕様や設備、利用方法などを理解するのに役立ちます。ちょっとした日帰り旅行から日本一周の注意点、キャンピングカーの利用方法までさまざまな知識をえられるのがYouTubeの魅力です。
さらにブログやSNSでキャンピングカーの魅力に触れたら、ビルダーの公式ホームページなどをチェックしてみましょう。ビルダーの公式ホームページなら車種やパーツ情報、架装のステップまで「造る側」の視点から専門的な情報を入手することができます。
キャンピングカー専門誌やカタログは情報の宝庫
より密度の高い情報をえたいならキャンピングカー専門誌や販売店のカタログなどをチェックしましょう。ブログやSNSは個人が情報発信をおこなうため、情報が偏ってしまう可能性も否めません。企業とは違いファクトチェックにかける時間も少なく、意図せず間違った情報が発信されることもあります。
キャンピングカー専門誌やムック本、カタログなら情報の密度はもちろん正確性が高いのも魅力です。車種や設備などの基本的な知識はもちろん、新型モデルやセールなどお得な情報を入手することもできるでしょう。ただし購入費用も嵩むため、ブログやSNSなどと併用して情報を集めるのがおすすめです。ブログやSNSなどの個人の発信はキャンピングカーユーザーしかわからない貴重な情報であることは間違いありません。
キャンピングカー購入前には実際に「体験」することも重要
キャンピングカーに関する知識が身に付いたら、次のステップとして実際に「体験」してみるのがおすすめです。一般車両と同じように、キャンピングカーも全国の販売店やショーで実際に見学や試乗をすることができます。
普段使いもできるとはいえ、キャンピングカーの真価が発揮されるシチュエーションは限られます。購入する前に、実際に利用した際のギャップを埋めておく必要があるといえるでしょう。キャンピングカーの見学は一通り購入候補が決まった段階はもちろん、まったく知識がない状態でも楽しめるはずです。
販売店やショーでキャンピングカーを見学できる
日本国内には個人店はもちろん、全国展開の企業までさまざまなキャンピングカーメーカーが存在します。規模には差がありますが、販売店を訪れて販売されているキャンピングカーを見学することが可能です。全国展開されているメーカーであれば取り扱っている車種も多く、専門知識を持ったスタッフに直接質問を投げかけることもできます。
また、全国各地で開催されるキャンピングカーのショーに足を運ぶのもおすすめです。多数のビルダーが会するショーは、一度にさまざまなキャンピングカーを見学することができます。新型モデルをいち早くチェックできますし、スタッフに車両コンセプトや特徴などを聞けるのも魅力です。キャンピングカーショーは基本的に入場料が必要となりますが、プレゼントやローンの金利割引など独自のキャンペーンをおこなっていることもあります。
レンタルキャンピングカーでさらに理解を深める
販売店やショーでもキャンピングカーの試乗は可能ですが、実際に利用した際のギャップを埋める場合はレンタルを利用するのがおすすめです。近年はキャンピングカーを専門として扱うレンタル店も多く登場しており、居住地域を問わず利用しやすいのが魅力です。利用料金は車種やシーズンによっても異なり、一般車両よりも少し高めに設定されています。しかし、これからキャンピングカー購入を考えているなら、決して高くはない出費ではないでしょうか。
レンタルキャンピングカーの車種は豊富で、人気の高い「バンコン」を中心に「キャブコン」や「軽キャンパー」など幅広く取り扱われています。購入する車両に迷っている場合は、短期間のレンタルで車種を比較してみるのもよいでしょう。レンタル店によってはキャンプグッズなどの貸し出しもおこなっています。
購入から納車までのステップや注意点を事前確認
実際に購入するキャンピングカーが決まったら販売店にて契約をおこないます。
- 契約:書類の確認、署名・捺印など
- 支払い:申込み金の入金、ローンの手続き
- 書類の準備:委任状、印鑑証明、車庫証明など
- 残金の清算:納車日までの清算
- 納車:引き渡し
販売店で契約をおこない、納車されるまでの大まかな流れは上記の通りです。近年はキャンピングカーの需要が高まっていることから納期は延びてきています。販売店によっても異なりますが、2023年以降の納期は1年~2年ほどが目安となるでしょう。ベース車両やパーツの在庫状況などにもよって変わってくるため、事前に販売店に確認しておくのがおすすめです。
最終的な費用は見積りをとらないとわからない
ビルダーが架装をおこなうキャンピングカーはオプションが豊富に取り揃えられています。オプションを追加して自分だけの一台に仕上げられるのはキャンピングカーの大きな魅力だといえるでしょう。ただし、オプションを追加すれば比例して購入費用も増加していきます。購入予定の車両の装備を確認するとともに、自分にとって必要な機能を取捨選択することも重要となります。
- オプション費用
- 税金・保険(自動車税、自動車重量税、自動車取得税、自賠責保険)
- 納車諸費用(予備検査の手数料、輸送など)
なおオプション費用も含めると、キャンピングカー購入には本体以外に上記のような費用が必要となります。税金・保険や諸費用は見積りを出さないと正確に把握することは困難です。購入するキャンピングカーの候補が決まったら、比較のためまず見積りを出しておきましょう。
装備や保証期間・アフターサービスは要チェック
一般車両と同じように、キャンピングカーにも購入後一定期間の保証が付帯しています。ベース車両は自動車メーカー、架装部分はビルダーと別々に保証が設定されていることが一般的です。たとえばベース車両の場合はディーラー、架装部分は販売店でというようにメンテナンスの場所は異なります。また、内装や外装、オプションなどで保証期間が異なることもあるため注意が必要です。
販売店で保証期間を確認するとともに、どのようなアフターサービスがあるか事前に確認しておくとよいでしょう。万が一自体に備えるなら、全国展開の販売店・工場でアフターサービスをおこなうビルダーの方が利便性は高いはずです。購入時費用だけでなく、保証やアフターサービスなどの知識を身に着けるために販売店とのコミュニケーションを重視するのがおすすめです。
情報収集に時間をかけてキャンピングカーを購入しよう
一般社団法人日本RV協会が発信する「キャンピングカー白書」によれば、2021年のキャンピングカー販売売り上げ合計額は過去最高の635.4億円(前年比109パーセント)にまで達しています。「出典:日本RV協会ニュース&リリース」市場規模は急速に拡大しており、今後もキャンピングカーの人気は高まっていくと予想されます。手ごろな価格のキャンピングカーも増えていますが、旅行やキャンプが主目的なら購入後のギャップを埋めておく必要があるでしょう。インターネットや雑誌、販売店などを活用してお気に入りの一台を探してみましょう。