キャンピングカーの窓の果たす役割は思っているよりも重要です。見た目だけでなく、断熱性や遮音性など快適に過ごすための機能的な役割も担っています。開け閉めが多い場合や、旅先でハードに使うなら耐久性も重要となってくるでしょう。窓の種類や使い方に気を配れば、これまで以上にキャンピングカーで過ごす時間が快適になるかもしれません。キャンピングカーの窓の種類や特徴、注意点などを確認しておきましょう。
キャンピングカーの窓は大きく「ガラス製とアクリル製」の2種類
キャンピングカーの窓は大きく「ガラス製とアクリル製」の2種類に分けられます。ガラス製窓は一般的な車両に使われており、「強化ガラス」と「合わせガラス」が主流となっています。一方のキャンピングカーはアクリル製窓が主流となりますが、中古車を中心にガラス製が採用されているケースもあります。なお、ヨーロッパやアメリカではフロントや前後左右にオリジナルの2重ガラス窓を採用したクラスA(日本のフルコンに相当)のキャンピングカーが多くなっているようです。窓というパーツだけ見ても、国や車種ごとの特徴が出ているのがキャンピングカーの面白さではないでしょうか。
特徴 | ガラス窓 | アクリル窓 |
強度 | 割れにくい | 割れにくい(ガラスより強度が高い) |
傷 | つきにくい | つきやすい |
重量 | 重い | 軽い |
耐熱性 | 高い | 低い |
ガラス製は価格が安く手軽に扱える
一般車両にも使われるガラス製窓は価格が安く、手軽に扱えるのが大きな特徴です。丈夫で劣化しにくく、傷もつきにくいことからコストパフォーマンスに優れています。たとえば直射日光の強い場所での利用など耐熱性も高く長期間問題なく利用できるのがメリットです。
日帰り旅行などがメインで、キャンピングカーで過ごす時間が短いならガラス製の窓でも困ることはないかもしれません。一方、デメリットとしては重量があり外部の熱が伝わりやすいなどの特徴があります。温度変化が起こりやすいため結露が発生しますし、夏や冬などは外部の気温が伝わりやすく快適に過ごすのは難しくなるかもしれません。ただし、ガラス製2重窓を採用したキャンピングカーであれば、温度変化の影響を減らすことができるでしょう。
アクリル製は断熱性・遮音性に優れる
ガラス製と比較すると、アクリル製の窓は熱伝導率が低く断熱性や遮音性に優れています。外部の熱を遮断するため結露しにくく、エアコンと併用すれば夏や冬でも快適に過ごすことができるでしょう。また、ガラス窓と比較すると軽量で成形しやすいためデザイン性を優先できるのも魅力です。ガラスより強度も高いため、キャンピングカーで過ごす時間が長い場合は特におすすめだといえます。
一方、デメリットとしては劣化による交換が必要でガラス製より費用が高くなることが挙げられます。アクリル製窓は紫外線の影響を受けやすく、傷がつきやすいのも特徴です。キャンピングカーに適した性能を持っている一方、維持コストはどうしても高くなってしまうでしょう。
アクリル製窓にはスライド型・押し出し型など種類がある
アクリル製窓は成形しやすいことから、ガラス製よりもデザイン面に優れているというメリットがあります。例えば一般的なスライド型はもちろん、開放的な押し出し型なども選択することが可能です。ロックを解除して押し上げるタイプなら、宿泊先でも開放的な気分が味わえるでしょう。
ただし、押し出し型などは走行中に窓を開けられないなどのデメリットもあります。デザイン性はもちろん、キャプコンの居住スペースに取り付ける小窓など、快適性を重視するならやはりアクリル製窓の方が適しているでしょう。
2重窓は断熱性・遮音性アップなどのメリットあり
キャンピングカー用の窓は素材を問わず2重窓が採用されるケースが多いといえます。2重窓は外気の侵入を防ぎ、室温を一定に保つのに役立ちます。たとえガラス窓であっても、2重にすることで結露が起こる確率を下げることができるでしょう。
ただし、快適性を重視するならやはりアクリル製に軍配が上がります。断熱性・遮音性に優れたアクリル製窓を2重にすれば、夏場や冬場などでも快適に過ごすことが可能です。キャンピングカーにエアコンなどを導入する予定なら、合わせて2重窓も検討しておきましょう。
網戸をつければ通気性が上がり気温の高い日も快適
キャンピングカーの窓には、ガラス製・アクリル製いずれも網戸をつけることも可能です。網戸を利用すれば通気性を確保することができますし、気温の高い日でも快適に過ごせる可能性が高まります。スライド型専用に思えますが、押し出し型の窓であっても上から降ろすタイプの網戸を取り付けることも可能です。
この他、夜間就寝時に降ろすシェードやプライバシーを守るためのシャッターなどは基本的に標準オプションとして用意されています。ただし車両によって仕様は異なるので、オプションパーツのラインナップなども含めてキャンピングカー購入前に販売店に確認しておくとよいでしょう。
アクリル製窓は定期的なメンテナンスで長く使える
キャンピングカーに適した性能を持つアクリル製窓ですが、その機能が発揮されるのはおおよそ10年程度とされています。アクリル製窓が劣化すると断熱性が下がってしまうのはもちろん、熱によるひずみや傷などで見た目も悪くなってしまいます。走行中などに割れる危険性も上がるため、寿命による交換は不可欠となるでしょう。
ただし、定期的なメンテナンスをおこなうことでアクリル製窓の寿命を延ばすことは可能です。日常的な戦場でも専用の洗剤や研磨剤などを利用し、傷が使えないよう細心の注意を払いましょう。販売店のスタッフなどに相談しておくと、より確実な情報がえられるはずです。
キャンピングカーの窓の種類はメリット・デメリットを理解して選択
キャンピングカーの窓は大きく2種類がありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。窓を選ぶ際は断熱性や遮音性がどの程度必要か、自身のキャンピングカーの使い方をよく確認しておく必要があるでしょう。なお購入後に後から窓を変更できるビルダー(キャンピングカーメーカー)も多くあります。購入後の窓変更も含めて、キャンピングカー購入の際は販売店とのコミュニケーションをおこなっておきましょう。