バンコンとキャプコンについて比較しました。日本国内のキャンピングカー市場はバンコンとキャブコンが人気を二分しています。一定の設備を備えつつ普段使いもしやすいバンコン、機能性に優れたキャブコンはいずれも魅力的なキャンピングカーです。ここでは取り回しや居住性能、機能面はもちろん、維持費や価格などを含めてバンコンとキャブコンを比較しています。どちらを購入するか迷っているなら、この機会に違いを確認しておきましょう。
バンコンとキャブコンはキャンピングカーの主流モデル
バンコンとキャブコンは生産台数が多く、キャンピングカーユーザーから人気の主流モデルとなっています。キャンピングカーの知名度向上などに取り組む一般社団法人日本RV協会の公表しているレポートによると、2020年度の国内生産台数は前年対比115.5%の7,434台となっていました。「引用:日本RV協会(協会ニュース)」このうち特に
- 2020年国内バンコン出荷台数:2,320台(軽自動車ベース110台含む)
- 2020年国内キャブコン出荷台数:2,073台(軽自動車ベース219台含む)
日本国内で流通するキャンピングカーは、ベースとなる車両や形状などによってカテゴリー分けされています。最高峰となる「フルコン」や比較的リーズナブルな軽キャンパーなど、キャンピングカーにもさまざまなモデルがあります。その中にあってバンコンとキャブコンが人気となっているのは日本で利用するメリットが多いことが1つの要因となっているようです。
バンコンは取り回しがしやすく普段使いでも利用しやすい
ワンボックス車やミニバン、ワゴンをベースとしたバンコンは取り回しに優れ普段使いしやすいのがメリットだといえます。バンコンはあくまでキャンピングカーであるため、座席やテーブルはもちろんキッチンなどさまざまな設備を搭載できます。一方、外装はベース車両とほとんど変わらず、見た目ではキャンピングカーと分かりにくいモデルも存在します。
キャンピングカーとしては比較的小型の部類に入るため、車両サイズを意識して選べば駐車スペースに困ることもないでしょう。走行性能を優先しつつ、居住性を高めた仕様から「泊まれる車」と表現されることもあります。ちなみに車中泊に特化した簡易モデル、ポップアップルーフの架装を施したモデルなど多種多様な仕様を選べるのもバンコンの魅力です。
キャブコンは居住空間が広く大人数でも旅行を楽しめる
居住空間を優先したキャブコンは「動く家」とも表現されるほどの快適性が魅力です。カムロードなどのトラックをベースに専用のシェルを架装したキャブコンは、基本的にバンコンより車両サイズが大きくなります。モデルによっては立って歩けるほど天井が高く、乗車定員がすべて就寝できるほどの機能性を備えます。ファミリーユースでキャンプや旅行を主目的とするなら、優先して選択肢に加えるべきだといえます。
一方、架装により車両が重く、重心も高くなるため走行性能や燃費は高いとはいえません。例えばアクセルやブレーキの挙動には癖がありますし、横風の影響にも注意する必要があります。また、一目でキャンピングカーと分かる外装から、普段使いとして利用するには難しいのではないでしょうか。車高も高いため、購入する前には駐車スペースなどもよく検討しておく必要があるでしょう。
バンコンとキャブコンは維持費や購入価格にも大きな違いがある
基本的に設備を充実させたキャブコンの方がバンコンよりも購入価格は高くなります。ベースとなる車両や設備によっても異なりますが、バンコンより1.5倍~2倍ほどの価格差となることも珍しくありません。
また、バンコンと比較して車体サイズの大きいキャブコンは燃費も悪くなります。近年はベース車両の性能向上によりキャンピングカーの燃費性能も上がってきています。しかし、車体サイズ・重量の大きいキャンピングカーは一般車両ほどの燃費を期待することはできません。キャブコンとバンコンを選ぶ際は、購入価格だけでなく維持費などのランニングコストも含めて検討する必要があるでしょう。
車体が大きく装備が充実したキャブコンは価格が高い
下記の表は、キャンピングカービルダーの主力モデルの価格を比較したものです。車両や設備によっても異なりますが、ハイエースやカムロードなどの一般的なベース車両ではバンコンよりキャブコンの方が価格は高くなります。装備こそ充実していますが、燃費やメンテナンス費用なども含めると普段使いにキャブコンを利用するのは難しいかもしれません。
バンコン (ベース車両:ハイエース) |
D社: 465万円(税込) ~ |
K社:498万円(税込)~ | |
T社:374.4万 (税込)~ | |
キャブコン (ベース車両:カムロード) |
D社:725万円(税込)~ |
C社:701万円(税別)~ | |
N社: 1,003万円(税込)~ |
中古車を選択肢に含めると価格差が埋まることもある
中古車を選択肢に含めればキャンピングカー購入の敷居を下げることができます。普段使いとして利用しやすいバンコンでも、購入価格は決して安いとはいえません。例えばベース車両がハイエースのバンコンは300万円以下の中古車も多く販売されています。ベース車両や年式、設備に拘らなければさらに購入費用を下げることも可能でしょう。
また、キャブコンの中古車はバンコンとそれほど変わらない価格で入手できる可能性もあります。中古のキャンピングカーは納車までの期間を短くできるというメリットもあるため、予算と相談しながら検討してみるのがおすすめです。
維持費や価格だけでなくライフスタイルや用途も含めて比較することが重要
購入費用はもちろん、自身の使い方を考えてバンコンとキャブコンを比較するようにしましょう。バンコンとキャブコンは日本国内でキャンピングカーの主流モデルとなり、居住性・機能性などさまざまな違いがあります。宿泊施設や休憩所が充実している日本国内では、バンコンであっても快適な旅行をおこなうことが可能です。一方、ファミリーユースや長期間の旅行に適しているなどキャブコンならではのメリットも多くあります。
バンコン | キャブコン | |
ベース車両 | ワンボックス、ミニバン、ワゴンなど | トラック(カムロード、タウンエースなど) |
走行性能 |
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居住スペース |
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相場価格 | 300万円~600万円 | 450万円~1,000万円 |