本記事では日本国内で人気が高まっているトラキャンの概要やメリット・デメリットを解説しています。他のキャンピングカーにはない、トラキャンならではのオンリーワンな魅力を確認してみましょう。
トラックキャンパー「通称トラキャン」は、軽トラックやピックアップトラックをベースとするキャンピングカーの1種です。キャブコンやバンコンと比較すると認知度は高くありませんが、シェルが脱着できるトラキャンならではのメリットは多くあります。
トラキャンはトラックにシェルを搭載したキャンピングカー
トラキャンは「トラックキャンパー」の略称であり、トラックにシェルを搭載したキャンピングカーです。ピックアップトラックを活用する人が多い北米では一般的ですが、日本ではバンコンやキャブコンほどメジャーなキャンピングカーではありません。しかし、他のキャンピングカーにはない特徴があることから根強い人気を誇るモデルでもあります。
例えばトラキャンに搭載するシェルは脱着が可能であり、1台で2役をこなせるという特徴があります。シェルは荷物として扱われ、ベース車両とは完全に切り離すことが可能です。同じくトラックをベース車両としたキャンピングカーにはキャブコンがありますが、シェルを脱着できるのはトラキャンならではの特徴となっています。
トラキャンならではの特長・3つのメリットを確認
他のキャンピングカーと比較した際、トラキャンには下記のような特徴があるといえます。
- 居住用シェルが脱着できる
- ベース車両を幅広く選べる
- シェルのカスタマイズができる
トラキャンに搭載するシェルは、ベース車両とは別に購入することが可能です。日本車向けのシェルは決して多いとはいえませんが、トラキャンの人気が高まるにつれ選択肢は広がっています。バンコンやキャブコンなどと比較しつつ、トラキャンの特徴・メリットを確認してみましょう。
シェルが脱着できるので1台で2通りの使い分けが可能
トラキャンの最大の特徴・メリットは搭載する居住用のシェルを脱着できることです。シェルはジャッキを伸ばして自立させることができるので、慣れれば短時間でトラックから脱着することが可能です。普段仕事に利用している車両でも、シェルを装着することでそのままキャンピングカーとして活用できます。
バンコンやキャブコンなども普段使いをすることはできますが、車高が高いモデルは屋根付きの駐車場に停めにくいなどの問題が発生します。普段使いからキャンプまで過不足なく活用できるのはトラキャンの大きなメリットだといえるでしょう。なおベース車両が古くなった際や、故障した場合に交換が容易なのもトラキャンの特徴だといえます。
ベース車両を用途に合わせて自由に選ぶことができる
トラキャンがメジャーな北米では、トヨタのハイラックスなど大型のピックアップトラックがベース車両の定番です。しかし、日本国内のトラキャンのベース車両は軽トラックや1tトラックなど選択肢は年々広がっています。特に軽トラックタイプのトラキャンはコンパクトで扱いやすく国内では人気が高まっているモデルです。
悪路などの走破性を重視するならピックアップトラック、手軽さや機動性を重視するなら軽トラックなど用途に合わせてベース車両を選べます。また、キャブコンやバンコンと比較すると価格は手ごろで、安いものなら100万円台半ばから購入できます。シェル部分は荷物扱いとなるため車検も不要で、ベース車両が軽トラックなら税金や高速料金などの維持費を安くできるのも魅力です。
本格的な仕様・装備もありキャブコンと同様に利用できる
トラキャンのシェルはキャンプ向けの本格的な仕様・装備を充実させたものも存在します。例えばシェル部分にサブバッテリーを搭載していれば、電子レンジなどの電化製品を利用することが可能です。また、給排水タンクを装備することで小規模のキッチンスペースはもちろんトイレ&シャワーを搭載したシェルもあります。さらにシェルによってはポップアップルーフや十分な室内高を持ったモデルも存在します。
装備を充実させればそれだけ費用はかかりますが、トラキャンといえども十分アウトドアライフを満喫することができるのです。ただしトラキャンのシェルは積載物となるため、サイズは道路交通法に準拠したものにする必要があります。
- 積載物の長さ:車両全長の1.2倍まで
- 積載物の幅:車両全幅の1.2倍まで
- 積載物の高さ:路面から原則3.8メートルまで(軽自動車は2.5メートル)
ベース車両とは別にシェルを購入する場合は、事前の確認が必要となるでしょう。
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居住部分が独立するトラキャンならではのデメリットもある
居住部分が独立するトラキャンは下記のようなデメリットがあります。
- シェルとのウォークスルーができない
- 走行中にシェル部分に乗れない
- ベース車両によっては足回りの強化が必要
トラキャンのシェルは運転席からの移動ができないため、一度車外に出てから乗り降りすることになります。雨など悪天候の際でも、車を降りる必要があるのは少々面倒かもしれません。また、シェルは荷物扱いとなるため、走行中に乗車することは法律で禁止されています。乗車定員はベース車両によって決まるため、一度にキャンプできる人数も限られてしまうはずです。さらにシェルには重量があるため、ベース車両によっては足回りの強化など手間も必要となるでしょう。
トラキャンはオンリーワンのキャンピングカーを探している方におすすめ
他のキャンピングカーと比較して、トラキャンはメリット・デメリットがはっきりしているのが特徴です。利用人数が限られるなどの制限も多いため、万人が満足できるキャンピングカーとはいえないでしょう。一方、シェルやベース車両の選択肢が多く、カスタマイズ性が高いなどトラキャンならではの魅力も多くあります。
ピックアップトラックベースなら見た目も恰好よく、悪路走破性も高いためサーフィンやスノーボードのベース基地としての活用もおすすめです。利用人数などの条件に問題がないなら、キャンピングカー選びの候補にトラキャンも加えてみるとよいでしょう。