近年はキャンピングカーの人気が高まるにつれ、車中泊に特化した施設「RVパーク」が急速に普及しています。キャンピングカーはもちろん、一般車でも利用できるRVパークは専用の設備が整っているなどさまざまなメリットがあります。
観光スポットに設置されているRVパークも多く、休憩だけでなく旅の目的地として利用できるのも魅力です。本記事ではRVパークの概要をはじめ、利用方法や注意点などを解説しています。
RVパークはキャンピングカー向けの車中泊施設
RVパークは、日本RV協会(一般社団法人日本RV協会)が推進・公認するキャンピングカーユーザー向けの有料車中泊施設です。「快適に安心して車中泊ができる場所」というコンセプトのもと、全国各地の施設に設置が進んでいます。
睡眠が目的の車中泊であれば、道の駅や高速道路のSA・PAなどを利用することもできるでしょう。ただし、道の駅や高速道路のSA・PAでの宿泊は基本的にマナー違反となりますし、周囲の状況によっては快適に過ごすのは難しいかもしれません。RVパークは車中泊専用の施設となるため、気兼ねなく快適に利用できるというメリットがあります。
日本RV協会に認定された施設がRVパークを名乗れる
RVパークを名乗るためには、日本RV協会が定める以下の施設要件(条件)を満たす必要があります。
- 余裕のある駐車スペース(縦4メートル×横7メートル以上)
- 24時間利用なトイレ
- 100V20A以上の電源が使用可能(最低15A以上)
- 入力施設が近隣にあること(車で15分圏内)
- ごみ処理が可能
- 入退場制限が緩やか(いつでも出入り可能)
- 看板の設置(ロゴは日本RV協会が支給)
- 複数日の宿泊滞在が可能
大型のキャンピングカーでも余裕を持って駐車できるのはもちろん、一般車でも快適に過ごせるような条件が整っているのが魅力です。ちなみにRVパークの認定基準を一部満たしていない車中泊施設は「RVパークライト」と呼ばれ区別されています。
RVパークは日本全国に300件以上あるので利用しやすい
キャンピングカーの需要の高まりとともに、RVパークの開設数も年々増加しています。日本RV協会が運営するくるま旅クラブ公式サイトに掲載されているRVパーク(RVパークライト含む)は、2023年4月19日時点で333件です。
- 北海道エリア:23件
- 東北エリア:24件
- 関東エリア:54件
- 北陸・甲信越エリア:45件
- 東海エリア:29件
- 関西エリア:37件
- 中国エリア:21件
- 四国エリア20件
- 九州・沖縄エリア:80件
エリアごとに一定数のRVパークが開設されており、居住地域を問わず利用しやすいといえます。なおRVパークは、温泉、旅館、道の駅、遊園地などさまざまな施設に設置されています。休憩地点として活用するのはもちろん、旅の目的地に設定できるのも魅力となっています。
RVパークを利用する前には注意点などを事前確認
RVパークはキャンピングカーだけでなく、車中泊装備のない一般車でも気軽に利用することが可能です。利用に難しい条件はなく、現地に到着後は受付を済ませるだけで自由に過ごせます。
ただし、利用料金や規約はもちろん、各種設備などはRVパークによって異なるため事前の確認が必要となります。また、公共の施設である以上、RVパークを利用する際は最低限のマナーを守る必要があるでしょう。
利用料金や規約・設備はRVパークによって異なる
利用料金や規約はRVパークによって大きく異なります。道の駅などに設置されているRVパークは1泊1,000円(税込)~1,500円(税込)程度が相場ですが、観光地に併設されている場合は1泊で5,000円(税込)以上の利用料となることもあります。ゴミ処理や電源が有料となっているRVパークも多いため、事前に確認する必要があるでしょう。
- コインランドリー
- ダンプステーション
- BBQ可能
- 無料Wi-Fi
- ドッグラン
また、上記のように認定条件に含まれない独自の設備のあるRVパークも存在します。一般車はもちろん、キャンピングカーで利用する場合でも各種設備を事前に確認しておくことは重要です。
要予約の施設も多いので事前に確認するのがおすすめ
下記は日本最南端の道の駅に設置されているRVパーク南房総・白浜の概要です。
RVパーク南房総・白浜 | |
施設の特徴 | ゴミ処理可能(無料)、電源・水道あり、ペットOK、トイレ24時間利用可能 施設内利用可能台数:3台 |
利用料金 | 1泊1,500円(税込)/1台(トレーラー含む) |
予約 | 要予約(3日前17:00までに予約) |
このRVパークのように、利用の2日~3日前が予約期限となっていることも珍しくありません。特に観光地周辺のRVパーク人気となりやすいため早めの予約が不可欠です。予約が原則不要の施設であっても、事前に連絡することで駐車スペースを確保するサービスを提供していることもあります。
なお、電話やWebを利用した予約が基本となりますが、インターネットで事前に予約・支払いを済ませる無人のRVパーク「RVパークsmart」もあります。2023年4月時点で、RVパークsmartは全国に58か所存在します。
車中泊を満喫するためにも最低限のマナーを守る
RVパークで車中泊する際は他の利用客の迷惑とならないように注意する必要があります。例えば下記のような行為は、RVパークでの禁止事項となります。
- アイドリングの禁止
- 車外での火気使用、BBQ、花火
- 発電機の使用及び騒音等、周囲への迷惑がかかる行為
- 洗面所での炊事・洗濯
また、ペットOKのRVパークであっても、連れ歩きや鳴き声など周囲への迷惑となる行為は禁止です。RVパークによっては駐車スペース同士の間隔が狭いこともありますから、特に騒音には注意する必要があるでしょう。ただし、RVパークによっては発電機の使用はもちろん、焚火やBBQも可能となっていることがあります。車中泊の楽しみ方に合わせて、最適なRVパークを選択するのがおすすめです。
RVパークを利用して存分に車中泊を満喫しよう
RVパークは車中泊向けの設備が充実しており、比較的リーズナブルな価格で利用できるのが魅力です。一般車でも利用できますし、休憩所や旅の目的地などさまざまな活用ができるでしょう。
ただし、料金はもちろん、規約や設備はRVパークによって異なります。車中泊を最大限満喫するためにも、利用するRVパークの情報を事前に確認しておくのがおすすめです。全国のRVパークは日本RV協会が運営する「くるま旅クラブ公式サイト」にて検索することができます。