国内初のEVキャンピングカーの特徴やメリット・デメリットを解説します。
2023年8月に先行予約が開始された「moonn(ムーン).」ブランドの「T-01(タイプ ワン)」の情報をもとに、ガソリン車との違いやEVキャンピングカーの可能性について考えました。
これまでのキャンピングカーで困っていたことや問題点などが、EVキャンピングカーの登場によって改善される点はないか、EVキャンピングカーのメリット・デメリットとしてまとめました。
EVキャンピングカーとは
EVキャンピングカーとはElectric Vehicle(エレクトリック ビークル)キャンピングカー、つまり電気自動車のキャンピングカーのことです。大容量のバッテリーに電気を充電して使用します。近年、家庭用自動車のEV化が進んでおり、街でもEV車を見かける機会が増えています。
そして2023年8月、日本初のEVキャンピングカーの先行予約がはじまりました。
EV車の特徴やメリットは、キャンピングカーを使用する人にとって嬉しいものが多いためキャンピングカーとEVの相性はとてもいいと言えます。
EVキャンピングカーの特徴
EVキャンピングカーの特徴について、2023年8月に日本で初めて先行予約が開始となった「moonn(ムーン).」ブランドの「T-01(タイプ ワン)」の標準装備やサイズを記載します。
43.5kwhの走行用メインバッテリーと容量200Aのサブバッテリーが搭載されています。メインバッテリーは約8時間、サブバッテリーは約7時間でフル充電にすることができます。オプションで370wの大型ソーラーパネルを搭載することができ、サブバッテリーへの充電が可能になっています。
100Vの電源は車内に3口。20Lのオーブンレンジ、73Lの家庭用冷蔵庫などが装備されています。ルーフエアコンやルーフベント、テレビなどのオプションがあります。
一充電の走行距離は270Kmで最高速度は90Km/h。今後、右ハンドルモデルも発売する予定ですが、現在は左ハンドルモデルのみとなっています。
EVキャンピングカーのメリット
EVキャンピングカーのメリットは、EV車そのもののメリットとも言えます。EV車は二酸化炭素を排出しないエコカーで、キャンピングカーを愛する自然派の方と相性バッチリです。
豊かな自然を間近で感じながら快適に過ごせたら、旅行もさらに快適に楽しくなるはずです。EVキャンピングカーの特徴をもとにメリットを紹介します。
環境に配慮しながら旅を楽しめる
EV車は環境への配慮がなされている、地球温暖化の主な原因である二酸化炭素の排出しないエコカーです。世界各国が脱炭素社会の実現に向けて削減目標をかかげています。
EV車は山や川などの自然の中で、排気ガスを出さずエンジン音も出さないため静音性に優れています。大きなエンジン音もしないので、自然豊かな音を楽しめます。自然環境を楽しみたい人にとって、大切な要素といえるでしょう。
電化製品が使いやすくなるため快適に過ごせる
キャンピングカーで快適に電化製品を使えるようにすることは、大きな課題となっております。電化製品を使用するには電気が必要です。その電気をどのように確保するかという問題です。
特に車中泊のクーラー問題は多くの方が悩む問題です。アイドリングすれば車のクーラーが使えますが、エンジン音や排気ガスが周りの迷惑になってしまいます。
家庭用エアコンや車載用エアコンを取り付けるなどの工夫をすることになりますが、EV車であれば大容量のバッテリーが搭載されているためガゾリン車のような騒音を出すことなくエアコンを稼働できるため、車内も車外も静かで快適に過ごせます。
ガソリン車に比べて維持費が安い
キャンピングカーに限らず家庭用自動車にも言えることですが、一般的に、ガソリン車に比べてEV車のほうが維持費が安いと言われています。
ガソリンよりも電気の価格のほうが安いので走行コストもEV車のほうが安いとされています。ガソリンの価格が高騰している昨今では、その差はもっと広がっているかもしれません。また、EV車はガソリン車に比べてメンテナンスの頻度が少ないためメンテナンスコストも安いとされています。
キャンピングカーの使用頻度が高ければ高いほど、コストパフォーマンスの良さを時間できるようになっています。
災害時の非常電源として活用可能できる
災害時、停電などにより電気が使えなくなった場合に非常電源として活用できます。電源としてだけでなく、車内でも快適に過ごすことができるキャンピングカーはとても心強い備えとなります。
万が一のときのために、消費電力量を把握してどの程度過ごすことができるのかシミュレーションしておくと安心です。
EVキャンピングカーのデメリット
EVキャンピングカーにはデメリットはないのでしょうか。メリットをたくさんもつEVキャンピングカーのデメリットにも目を向けてみましょう。
EVキャンピングカーのデメリットは、車体価格が高いことが挙げられます。また、今回は日本初のEVキャンピングカーということで、まだまだ車種が少ないのが現状です。近年、EV車が増えてきてはいますが、充電スポットが少ないという不安点もあります。
それぞれEVキャンピングカーのデメリットを紹介します。
車体価格が高い
EVキャンピングカーに限らず家庭用自動車にも言えることですが、EV車はガソリン車に比べて車体価格が高額となっています。
比較できるEVキャンピングカーがないので軽自動車で比較してみます。エンジン車の軽自動車の価格は約130~200万円程度なのに対し、EVの軽自動車の価格は約260~300万円となっています。
本体価格だけでこれほどの差があります。キャンピングカーは車体だけでなく、装備も必要になります。つまり、価格差はもっと大きくなると予想ができます。
車種が少ない
2023年8月現在、日本初のEVキャンピングカーの先行予約が開始されました。「moonn(ムーン).」ブランドの「T-01(タイプ ワン)」という車種です。乗車定員は2人となっています。
乗車定員や装備品、ハンドルの位置などの条件が合わないと所持するのが難しいといえるでしょう。EV自体が普及してきたとはいえ、選べるほどはないのが現状です。たくさんの車種があるガソリン車は自分好みにカスタマイズできて自由度が高いため、好みのキャンピングカーに仕上げることができます。
バンコン、キャブコン、軽キャンパーなど、用途に応じてベース車を選択できるガソリン車と比べると、EVキャンピングカーの種類の少なさはデメリットと言わざるを得ません。
充電スポットが少ない
EV車の一番の不安要素の一つとして、充電スポットの少なさが挙げられます。土日や長期休暇など混雑が予想される日程だと、その不安は倍増されます。
次世代自動車振興センターによると、カーディーラー、コンビニ、商業施設、宿泊施設、道の駅、サービスエリア、パーキングエリアなどの施設に多く設置されているようです。ガソリンスタンド数の約6割以上に匹敵する数だそうです。
ガソリンと違って充電する時間を待たなければならないことや、混雑していて順番待ちで時間がかかる場合もあることから、充電する場所をあらかじめ複数箇所見つけておくなどの工夫が必要になるでしょう。
EVキャンピングカーのこれからがもっと楽しみに
EVキャンピングカーの特徴とメリット・デメリットについてまとめました。
EVキャンピングカーはよりよい環境への配慮や旅の快適さを実現することができます。ガソリン車と比べると維持費が安くなる可能性が十分にあり、すでにキャンピングカーを所持している方にとってもEVキャンピングカーの登場は嬉しいニュースとなりました。
その一方で、車体価格の高さや車種の少なさ、充電スポットの不安などクリアしなければならない課題もあります。
EVキャンピングカーの登場により、ますますキャンピングカーを楽しめる可能性が出てきました。これからのEVキャンピングカーに期待して、もっとキャンピングカーライフを楽しみましょう。