日常から離れてさまざまなスポットを巡れるキャンピングカーの旅行は、行き先での美味しい食事も楽しみの1つです。旅先でご当地グルメを満喫するのはもちろん、食材を揃えて本格的な料理をするなど幅広い使い方ができるのも魅力ではないでしょうか。
キャンピングカーでの自炊となると難しいイメージもありますが、必要な装備を揃えれば初心者でも気軽に取り組むができます。料理に必要な装備や注意点を確認し、アウトドア志向のキャンピングカー旅行に挑戦してみましょう。
キャンピングカーで旅行をする際の食事事情は十人十色
キャンピングカーを利用した旅行では、ユーザーごとに十人十色の食事スタイルを楽しむことができます。旅先のグルメを満喫できるのはもちろん、自身で仕入れた食材を使って料理をすることも可能です。観光地などのスポットを巡るだけでなく、普段とは違った食事を楽しめるのもキャンピングカーの醍醐味だといえます。
しかし、キャンピングカーに慣れていないうちは食事にまで気を回せる方は少ないかもしれません。まずはキャンピングカーの普及促進をおこなう一般社団法人日本RV協会の調査を参考に、旅先での食事事情を確認してみましょう。
昼は旅先のご当地グルメを堪能するユーザーも多い
一般社団法人日本RV協会が2017年におこなったアンケート調査によると、回答したキャンピングカーユーザーの半数が旅行中の昼食を旅先のレストランや食堂で済ませていました。また、ユーザーの約2割は評判のグルメスポットをあらかじめ調べていたという結果でした。キャンピングカーを利用した旅行では、目的地だけでなく普段食べられない美味しいグルメも魅力の1つです。
目的地に到着するまでの道のりで、美味しいご当地グルメを堪能すれば旅行の楽しみがさらに倍増するでしょう。なお、近年は飲食店の駐車場で車中泊が可能な「ぐるめパーク」や食事を提供する施設を備えたRVパークも増えています。美味しい食事を楽しみつつ昼から夜まで1日中楽しみたいなら車中泊専用のRVパークの利用もおすすめです。
宿泊するなら晩酌も楽しめる自炊がおすすめ
上記と同じアンケート調査によると、夕食に関しては約4割のユーザーがキャンピングカーを利用して自炊をしているようでした。旅先のスーパーやコンビニなどで必要な食材を揃えて、自宅と同じように調理できるのはキャンピングカーならではといえます。この他にも、車中泊スペース確保後に旅先の飲食店などで食事をとるユーザーも約2割存在しました。長時間の移動の場合は体力も必要となりますし、面倒という理由で自炊を避けるユーザーも多いのかもしれません。
しかし、キャンピングカーでの自炊は時間に縛られずにゆったり楽しめるというメリットもあります。食事とともに晩酌を楽しむのはもちろん、BBQやダッチオーブンといったアウトドア料理ができるのも自炊の魅力なのです。
料理するために必要な装備は車種を問わず揃えられる
キャンピングカーには複数の種類があり、料理をするために必要な装備も車種によって異なります。専用のシェルを架装したキャブコンはシンクをはじめ、コンロや電子レンジなど料理をするための装備が整っているのが魅力です。
一方、バンコンにはシンクがないモデルもありますし、スペースの限られる軽キャンパーなどでは料理の装備を整えるのは難しいといえます。しかし、キャンピングカーで料理をするのに必ずしも専用の装備が必要というわけではありません。必要な道具を揃え、アイディアを活用すれば専用の装備がなくても本格的な料理が可能となります。
備え付けコンロや電子レンジがなくてもグリルがあれば過熱調理可能
キャブコンなど大型のキャンピンクカーはシンクやガスコンロ、冷蔵庫がまとめられたキッチンスペース(ギャレー)のあるモデルが多いのも魅力です。このような設備がない場合は、カセットコンロやIHクッキングヒーターを利用するのもよいでしょう。カセットコンロなら大型のキャンピングカーでなくても利用できますし、電源さえ確保できれば電子レンジで手軽に過熱調理することもできます。
また、アウトドア系の料理を楽しむならグリルなどを持ち込んで車外で料理するのもおすすめです。近年はシカやイノシシなどのジビエ(狩猟肉)が買えるスーパーや道の駅などが増加しており、比較的入手が容易となっています。車外なら大型の調理器具でも使いやすく、ジビエを利用した本格的な料理も楽しめるのではないでしょうか。
クッカーなどを利用すれば荷物も減らせて調理も簡単
調理器具や食器、キッチン用品など自炊に必要な道具は意外と多くなるものです。収納スペースが限られるキャンピングカーを利用する場合はなるべくコンパクトな道具を揃えると効率が上がります。例えば折りたたみ式のクッカーなどを利用すれば、荷物を減らせるだけでなく食器の数も減らすことができます。
アウトドア専用のものは料理をしやすいように工夫されていますし、収納スペースが限られるなら積極的に活用するのがおすすめです。また、生ものなどの食品を持ち込む際は冷蔵庫の代わりにクーラーボックスを利用するという手もあります。クーラーボックスは保冷剤の準備も必要となるため、事前に作る料理を確認しておきましょう。
調理や洗い物のスペースは現地で確保するのもおすすめ
軽キャンパーなど車内設備が限られるキャンピングカーは調理や洗い物のスペースを現地で確保するのがおすすめです。車外であっても折りたたみ式のテーブルなどがあれば食材の調理は十分可能です。また、キャンプ場によっては炊事場が用意されていることもあり、食材の調理だけでなく洗い物もおこなえるようになっています。
最初からアウトドア料理を目的としている場合は、炊事場のあるキャンプ場を目的地とするのもよいでしょう。なお自宅から食材を持ち込む場合はある程度下処理をしておくと調理も楽になります。炊事場の状態によっては料理に時間がかかることもあるため、野菜のカットや下味の処理などは事前におこなうのがおすすめです。
キャンピングカーで料理をする際の注意点
キャブコンなどのキッチン装備があるキャンピングカーはレンタルをすることも可能です。レンタル料金は乗用車より割高となりますが、キャンピングカーや装備を一から揃えるより手軽に料理に挑戦することができます。初心者であってもキャンピングカーの醍醐味を存分に味わることができるのではないでしょうか。
ただし、レンタルはもちろん購入したキャンピングカーで料理をする際には少なからず注意しておくポイントがあります。
車内での調理は臭いや換気に気をつける
キャンピングカーの車内で調理をする際に特に気をつけたいのが換気です。キャンピングカーは気密性が高く、換気をしないまま料理をすると車内に臭いが残りやすいといえます。一酸化炭素中毒の危険性もあるため、窓を開放し換気扇を回すなど十分に対策をとりましょう。
油を使う料理や、肉・魚などを焼く際は特に臭いがつきやすいはずです。料理中から食事中まで車内の換気に気を配り、片付けの際は早めに拭き掃除をおこないましょう。また、生ごみなど臭いの残りやすいものもなるべく早く処理するのがおすすめです。なお、レンタルのキャンピングカーは調理そのものが禁止となっていることがあります。煙や臭いの出やすい料理のみ不可となっていることもあるため、事前に規約を確認しておきましょう。
電源スペースやBBQの可否は事前に確認
車外で電子レンジやIHクッキングヒーターなどを利用する場合は、宿泊場所の電源スペースも確認しておきましょう。特に電子レンジは消費電力が多く、本格的な料理をする際はサブバッテリーを搭載していても料理に支障が出てしまうかもしれません。また、車外での調理やBBQ、焚火の可否は車中泊施設によって異なります。
自炊が基本となるキャンプ場とは違い、車中泊施設の場合は車外での調理やBBQが禁止となっていることも多いものです。不要なトラブルを避けるためにも、ホームページなどで事前に車中泊施設の情報を確認しておきましょう。
キャンピングカーで自炊をすれば旅行がさらに楽しくなる
キャンピングカーでの自炊は調理スペースや電源、食材の管理など気を配るポイントが多くあります。自宅での料理と比較すると、少なからず手間は増えるといえるでしょう。
一方、装備さえ整えれば自炊は難しいものではありませんし、キャンピングカーでしか味わえない料理も多いものです。安全面やマナーに配慮し自炊をおこなえば、キャンピングカー旅行がさらに楽しくなるかもしれません。初心者の方はもちろん、これまで自炊を避けていたというキャンピングカーユーザーの方もこの機会に挑戦してみてはいかがでしょう。