キャンピングカーを快適な仕様にするアイテムの1つとしてサイドオーニングがあります。サイドオーニングは日よけや雨よけを目的としており、テラス席のようなプライベート空間を手軽に確保できるのが魅力です。キャンピングカーに必須のアイテムではありませんが、取り付けることでキャンピングカーライフをさらに充実させられるでしょう。
ここではサイドオーニングのメリットをはじめ、注意点や選び方などをご紹介しています。サイドオーニングの購入や後付けを考えているなら参考にしてみてください。
サイドオーニングは日よけや雨よけの役割を持つ装備
サイドオーニングはキャンピングカーの屋根やサイドルーフに取り付けるアイテムです。オーニング(Awning)の名の通り日よけや雨よけを目的としており、キャンピングカーに常設するため設営も難しくありません。
日差しの強い日や雨天時など、天候に関わらず車外で開放的な気分を味わえるのがサイドオーニングの魅力の1つです。車中泊に必須のアイテムではありませんが、サイドオーニングを取り付けることで手軽にプライベートな空間を演出できるでしょう。
キャンピングカーの車種を問わず取り付けやすい
サイドオーニングは国内で人気の高いバンコンやキャブコンはもちろん、軽キャンパーやバスコンなど幅広い車種に取り付けられます。ビルダーが手掛けるキャンピングカーでは、サイドオーニングがオプションとして用意されていることも多いものです。また、サイドオーニングは幅広いメーカーが取り扱っており、車種によっては別途購入して後から取り付けることも可能です。
ルーフキャリアを利用すれば穴あけ加工なしで取り付けられますし、手動式の他に電動式のサイドオーニングを選ぶこともできます。ただし、キャンピングカーによっては取り付けできない可能性もありますし、価格は10万円~20万円程度が相場と決して安いものではありません。後付けで取り付けを考えている場合は、キャンピングカーを購入したビルダーなどに確認しておきましょう。
カーサイドタープとは異なり常設できるのも魅力
サイドオーニングと同じように日よけや雨よけを目的としたアイテムにカーサイドタープがあります。同一のものとして扱われることもありますが、サイドオーニングとはキャンピングカーに常設するかという点で大きな違いがあります。
- サイドオーニング:キャンピングカーに常設
- カーサイドタープ:使用時に設営、キャンピングカーに取り付け
常設タイプのサイドオーニングとは違い、カーサイドタープは幅広い車種で利用できるのがメリットです。価格もサイドオーニングより安いため、安価に利用したいという場合はカーサイドタープの方が適しているかもしれません。ただしキャンプ用品として持ち運ぶため収納場所が必要となりますし、設営や撤収の時間もかかります。
初心者でも簡単に扱えるのがメリットだが注意点もある
面積のあるタープは畳むだけでも時間がかかるものですが、サイドオーニングを利用すれば設営や撤収の時間を削減できます。慣れてしまえば数分で設営できるので、その分余裕を持ってキャンプを楽しめるでしょう。タープやロープなどを持っていく必要がなく、車内スペースを有効活用できるのも見逃せません。
一方で、一般的なタープと同じように強風などに注意する必要がありますし、車体に取り付けるため運転時のバランスが悪くなるという注意点もあります。
設営や撤収も簡単で余裕を持ってキャンプを楽しめる
サイドオーニングをキャンピングカーに取り付けるメリットの中でも、特に注目すべきは設営や撤収に要する時間を削減できることではないでしょうか。例えば大手メーカーのサイドオーニングの場合、大まかに以下のような手順で設営をおこないます。
- オーニング本体からタープを引き出す
- 内側に収納されている脚(オーニングレッグ)を取り出す
- オーニングを広げ、タープを広げながら微調整
- オーニングの脚をペグ等で固定する
クランクハンドルを利用して簡単にオーニングを広げられますし、ポールの組み立てやロープの結束といった面倒な作業がほぼ不要となります。収納の際は雨水の拭き取りなどが必要ですが、直接地面に触れないためメンテナンスも容易なのが魅力です。
風に弱く車体のバランスも悪くなるので注意が必要
サイドオーニングは風に弱いというデメリットがあります。防水性能があるとはいえタープは柔らかい素材で作られており、風に煽られやすいのが特徴です。サイドオーニングが破損すると自身だけでなく周囲にも迷惑がかかるため特に強風時の使用は避けるのがおすすめです。大手メーカーのサイドオーニングには風対策用の補強キットも販売されていますが、強風時の使用は推奨されていません。
また、本体が10~20キログラム以上あるため車種によっては運転時のバランスに影響が出る可能性もあります。なおサービスエリアやパーキングエリアなどはもちろん、キャンピングカー向けのRVパークであってもサイドオーニングが使えないことがあります。テントが展開できるキャンプ場や一部のRVパークではサイドオーニング可としていることも多いので、事前に確認しておきましょう。
サイドオーニングは種類も豊富でDIYでの取り付けも可能
サイドオーニングを後付けする場合は、まず自身が所有するキャンピングカーに取り付けられるか確認しておくことが重要です。サイドオーニングを購入してから業者などに持ち込んでも、取り付けができない可能性もあります。
取り付けできるサイドオーニングのサイズやデザイン、形状についてビルダーや専門業者に細かく確認しておきましょう。ルーフキャリアなどを利用すればDIYでも取り付けできますが、安全性を考慮すると専門業者へ依頼するのがおすすめとなります。
人気メーカーは品揃えが多く品質・デザイン性に優れるのが魅力
サイドオーニングはキャンプやアウトドア用品を取り扱うFIAMMA(フィアマ)やDARCHE(ダーチ)、ARBなどの人気メーカーが存在します。特にイタリアメーカーのFIAMMAのサイドオーニングは人気が高く、バンコンやキャブコン向けの定番オーニングF45sをはじめ品ぞろえが多いのが特徴です。
また、無骨なデザインが魅力のARBなど、メーカーごとにデザインには特色があります。ECサイトでは低価格なノーブランド品も販売されていますが、人気メーカーは補修パーツの在庫が豊富で入手が容易というメリットもあります。10万円~20万円以上と価格は高くなりますが、品質や購入後のサポートまで考慮するとメーカー品の方がおすすめです。
型式 | 本体横幅 (オーニング展開時/センチメートル) ※収納時の厚み・高さは以下共通 厚さ8.5センチメートル 高さ13.6センチメートル |
重量 (キログラム) |
出幅 (センチメートル) |
F45s 190 | 185 | 11.5 | 100 |
F45s 200 | 195 | 15.0 | 150 |
F45s 230 | 231 | 16.5 | 150 |
F45s 260 | 263 | 19.5 | 200 |
F45s 300 | 308 | 23.0 | 250 |
F45s 350 | 348 | 25.0 | 250 |
F45s 375 | 375 | 26.0 | 250 |
F45s 400 | 398 | 27.0 | 250 |
F45s 425 | 423 | 28.2 | 250 |
F45s 450 | 448 | 29.5 | 250 |
取り付けが難しい場合はビルダーへの相談や専門業者への依頼も検討
大手メーカーには、純正のルーフキャリアを使用して穴あけ加工なしで取り付けられるサイドオーニングも販売されています。また、自身でルーフキャリアやルーフレールにブラケットを取り付けるという方法もあるでしょう。ただし、ルーフレールの形状や長さによっては取り付けできない可能性もありますし、ルーフキャリアを別途購入すると費用もかさみます。
FIAMMAのF45sなど、耐久性などを考慮して車体に穴を開けることが前提となっているサイドオーニングも多くあります。取り付けが難しい場合や、穴あけ加工が必要な場合は専門業者へ依頼するのがおすすめです。費用はかかりますが、走行中の落下などを防ぎ長く安心して利用できるでしょう。
サイドオーニングを取り付ければキャンピングカーライフがさらに充実する
サイドオーニングはキャンピングカーに必須のアイテムではありません。日よけや雨よけを目的とするなら安価なタープでも代用できますし、取り付けに費用がかかるなどデメリットもあります。
しかし、手軽にテラス席のようなプライベートな空間を作り出せるのはサイドオーニングならではのメリットだといえます。「必須」ではなくとも、キャンピングカーライフをさらに充実させるために「定番」のアイテムがサイドオーニングなのです。