キャンピングカーは乗用車よりも高額となりやすく、購入や維持のハードルは高いといえます。しかし、近年は最長240回払いのローンも登場しており、若い世代でもキャンピングカーを購入しやすくなっています。
ローンを上手く活用すれば、月々の負担を抑えつつキャンピングカーライフを楽しむことができるでしょう。キャンピングカーで利用できるローンの種類や金利・総支払額の目安を確認してみましょう。
キャンピングカーは資産価値が下がりにくく最長240回のローンも可能
乗用車のローンは基本的に60回〜84回(5年〜7年)で、最長でも120回(10年)までが一般的になっています。一方、キャンピングカーは最長240回(20年)のローンを選択することも可能です。自動車は年々性能が上がって長寿命化しており、さらに架装部分の設備や家具類のあるキャンピングカーは資産価値が下がりにくいという特徴があります。中古市場での需要に比例してリセールバリューも高く、長期ローンを選んでも大きな損はしにくいはずです。
国内のキャンピングカーは400万円〜500万円が人気で、600万円以上のモデルも注目を集めています。乗用車より高額となりやすいキャンピングカーですが、ローンをうまく活用すれば月々の負担を抑えることも可能でしょう。
キャンピングカー用ローンは2種類│マイカーローンとオートローンの違い
キャンピングカーを購入する際は下記のようなローンを利用できます。
- 金融機関のマイカーローン
- 信販会社のオートローン
キャンピングカーを取り扱っている自動車メーカーのディーラーでは、メーカー専用ローンを利用することも可能です。また、中古車販売業者では販売店が独自に提供する自社ローンを提供していることもあります。しかし、ビルダーや専門ディーラーで販売されることの多いキャンピングカーは、上記2種類が主な選択肢となるでしょう。
銀行や信用金庫のマイカーローンは審査が厳しいが金利は低い
銀行や信用金庫が取り扱うマイカーローンには下記のような特徴があります。
- 審査基準が厳しく結果が出るまで時間がかかる
- 金利が低く、利用用途の自由度が高い
- 預金や取引実績の有無によって金利が優遇される
- 自分名義でキャンピングカーを保有できる
銀行や信用金庫のマイカーローンは結果が出るまで数日以上かかることも多く、信販会社のオートローンと比較して審査基準は厳しくなっています。一方、金利は借入年数などにも左右されますが1.0%〜4.0%程度と低く、車体の購入費用だけでなく車検や修理費用にローンを活用できるのも魅力です。借入期間は基本的に最長10年となりますが、キャンピングカーを自分名義にできるという特徴もあります。
信販会社のオートローンは金利が高めだが審査時間は短い
信販会社のオートローンは、キャンピングカーを販売するビルダーや専門ディーラーで利用することができます。
- 金利は高めで利用用途が限定される
- 審査基準が低く、結果が出るまでスムーズ
- 時期や購入車種によってキャンペーンがある
- 名義は基本的にディーラーとなる
信販会社のオートローンは金利が高めに設定されていることも多く、基本的に利用用途はキャンピングカーの購入費用に限定されます。一方で審査基準は低いといわれており、キャンピングカー購入と同時に申し込みができるのもメリットです。また、銀行や信用金庫のマイカーローンが最長でも120回払いとなるのに対して、信販会社のオートローンは最長で240回払いを選ぶことができます。
金利は固定・変動の違いや借入先・キャンペーンによっても異なる
乗用車と同じく、キャンピングカーの金利にも固定と変動の2種類があります。乗用車より高額となるキャンピングカーは、少し金利が違うだけでも総支払額に大きな差が生まれます。
また、金利は固定・変動の違いだけでなく、借入先やキャンペーンによっても異なります。ローンによっては固定金利と変動金利を選べることもあるため、事前に確認しておくことが重要です。
固定金利・変動金利はそれぞれメリット・デメリットがある
固定金利と変動金利にはそれぞれ下記のような特徴があります。
- 固定金利:ローン完済まで金利が変わらない
- 変動金利:半年ごとに金利が見直される
固定金利の場合、ローン開始時は変動金利よりも高めの金利が設定されます。しかし、ローン完済まで金利が変動しないため返済計画は立てやすいのが特徴です。対して景気に左右される変動金利は一般的に半年ごとに金利が見直され、返済計画は立てにくいといえます。総支払利息は金利によって変わるため、一概にどちらの方が優れていると断言はできません。
ローンの金利は借入先やキャンペーンなどでも異なる
同じ借り入れ先であっても適用される金利には幅があります。例えば最低金利が2.5%、最高金利が10.0%のキャンピングカー専用のローンを提供している金融機関もあります。金利は借入金額や返済能力によって決定されるため、審査内容によっては想定していたより金利が高くなってしまう可能性もあるでしょう。
一方、ディーラーの場合はキャンピングカーショーなど、イベント限定で特別金利キャンペーンが開催されていることもあります。時期によっては同じモデルであっても金利が異なる可能性もあるので、見積りを多くとって検討する必要があるでしょう。
キャンピングカーローンの選び方│オプションや付帯サービスも確認
キャンピングカーのローンは、金利によって総支払額に大きな違いが生まれます。金利だけで考えれば銀行や信用金庫のマイカーローンを利用した方がお得になるかもしれません。
しかし、信販会社のオートローンは途中から返済額を変更するなど、柔軟なサービスを提供するものも多くあります。ローンを選ぶ際は金利だけでなく、オプションや付帯サービスも含めて総合的に検討する必要があるでしょう。
返済期間が短いなら金利とともにオプションや付帯サービスも確認
借入金額3,000,000円のシミュレーションを表にまとめました。
ローン元金 | 3,000,000円 | 3,000,000円 |
頭金 | 0円 | 0円 |
分割支払い手数料 | 273,263円 | 444,539円 |
分割支払い額/支払い総額合計 | 3,273,223円 | 3,444,539円 |
支払い回数 | 84回(7年) | 84回(7年) |
実質年率 | 2.50% | 4.0% |
月々の支払額 | 38,967円 | 41,006円 |
借入金額が少なく、返済期間が短くても金利が異なると支払い総額にも大きな差が生まれます。返済計画は立てやすいので、金利をポイントとしつつオプションや付帯サービスを重視するのもおすすめです。例えば車検やカー用品の購入費用などにも資金を使いたい場合は、下記のように利用用途が幅広い金融機関のマイカーローンの方が適しているといえます。
- 運転免許取得費用
- 車両修理費用
- 車検費用
- カー用品関連購入資金等
利用用途はもちろん、限度額なども金融機関によって異なるため事前に確認しておきましょう。
月々の負担を抑えたいなら最長20年の長期ローンもおすすめ
返済期間が10年以上の場合は、基本的に信販会社のオートローンを選択することになります。例えば最長20年の支払いも可能なJRVAの特別オートローンを利用した場合、ローン元金が1,000,000円と高額であっても月々の負担を抑えることが可能です。分割支払い手数料はどうしても高くなりますが、手元に資金が少ない場合でも使えるのが魅力です。
ローン元金 | 10,000,000円 | 10,000,000円 |
頭金 | 0円 | 0円 |
分割支払い手数料 | 1,526,789円 | 3,177,312円 |
分割支払い額/支払い総額合計 | 11,526,789円 | 13,177,312円 |
支払い回数 | 120回(10年) | 240回(20年) |
実質年率 | 2.90% | 2.90% |
月々の支払額 | 96,100円 (最終回のみ90,889円) |
52,962円 (最終回のみ41,394円) |
また、信販会社のオートローンは申し込みが手軽で、ディーラーによっては月々の返済額を抑えられる残価設定型を利用することもできます。どちらにもメリット・デメリットがあるため、時間をかけて見積りをおこなうことが必要です。
ローンの申し込み前に利用条件や繰り上げ返済手数料なども確認
ローンの中には繰り上げ返済や借り換えなどにも対応しているなど、柔軟なサービスが提供されています。サービスやオプションが豊富なローンであれば、急な出費などにも対応できて便利です。しかし、ローンの申し込み先によっては手数料がかかる可能性もあるため、申し込み前に確認しておく必要があるでしょう。
また、購入の際の頭金や保証料はもちろん、税金や車検、保険料などの維持費も計算しておく必要があります。キャンピングカーの総支払額も含めて、必要な費用を総合的にシミュレーションしておくのがおすすめです。
キャンピングカーのローン選択は維持費なども含めて入念な資金計画が必要
キャンピングカーを購入する際は、金融機関やディーラーが提供するローンを利用することができます。しかし金利はそれぞれ異なりますし、付帯サービスも含めてさまざまな違いがあります。頭金や保証料はもちろん、購入後の維持費も含めて入念な資金計画が必要です。
複数の金融機関やディーラーで相談することで、最適なローンを見つけやすくなるはずです。キャンピングカーライフを満喫するために、月々の負担を抑えられるプランを選択してみましょう。