車中泊が快適になる装備を備えたキャンピングカーは、さまざまなアウトドアやレジャーと相性がよい乗り物です。コロナ渦以降人気が高まった釣りとも相性がよく、近年は釣り専用のモデルが登場するなど注目を集めています。
本格的な釣行には体力や集中力、道具の運搬などの問題も出てきますが、キャンピングカーであればそれらのデメリットを解決できるかもしれません。キャンピングカーを釣りに用いるメリットや注意点を確認してみましょう。
キャンピングカーで釣りに行く5つのメリット
本格的に釣りを楽しんでいると体力面や釣り道具の運搬など、どうしても苦労する場面が出てくるものです。海・川・山と場所を問わずアウトドアで活動する以上は天候や気温の影響も受けやすく、ポイントによっては釣行が難しい場面も出てきます。
しかし、キャンピングカーを用いればそのような釣りのデメリットを解決するだけでなく、さらに釣りを楽しむことができるかもしれません。普通乗用車との違いも確認しながら、キャンピングカーのメリットを確認してみましょう。
車中泊に適したキャンピングカーなら前泊や連泊でも快適
車中泊に適した装備が整えられたキャンピングカーは、前泊や連泊でも快適に目的地に到着できるというメリットがあります。魚の活性が上がりやすい早朝の朝マズメを狙って前日、または少し早い時間に移動を開始しても、防音性の高いキャンピングカーであれば広々としたベッドで十分な睡眠や休息をとることができます。
また、急な予定の変更での連泊でも柔軟に対応できるのがキャンピングカーの魅力です。釣り場近くのホテル、宿探しの手間も省け余裕を持って釣りを楽しめるでしょう。
仮眠やトイレなど安心して適度な休憩がとれる
体調に合わせて適度に休息をとれるのもキャンピングカーのメリットです。サブバッテリーを搭載したキャンピングカーはエンジンをかけずにクーラーやFFヒーターを長時間作動させることができ、真夏や真冬でも快適に仮眠や休憩をとることが可能です。
また、キャブコンなどトイレがついたモデルなら、女性や家族連れでも場所を問わず安心して釣りができます。気温や天候の影響を受けやすい釣りは、いかに体力と集中力を持続させるかが釣果アップのカギだといえます。ターゲットによっては、適度に休憩をはさむことでよりよい釣果に繋がるはずです。
収納スペースが広くかさばる釣り竿・釣り具を管理しやすい
普通乗用車と比較して車内が広いキャンピングカーは、かさばる釣り竿や釣り具などをしっかりと収納することができます。複数のロッドの使い分けはもちろん、天井高の高いモデルなら車内での釣り具のメンテナンスも余裕を持っておこなえるでしょう。
釣り向けに開発されたキャンピングカーには、ロッドの収納スペースや汚れ防止の防水加工が施されたモデルも多くあります。シャワーが搭載されたキャンピングカーであればその場で洗浄することも可能ですし、クーラーボックスやウェーダー、ブーツなど汚れやすい荷物が多い場合でも安心です。
釣った魚の調理や下処理・保存もその場でできる
キッチンスペースを備えたキャンピングカーであれば、その場で釣った魚の調理も可能です。新鮮なうちであれば刺身はもちろん、コンロやIH調理器を使って本格的な調理をおこなうことができます。
また、内蔵を取り除くなどの下処理をしておけば、釣った魚を鮮度の高い状態で保存しておくこともできます。車載用の冷蔵庫があれば別途クーラーボックスや氷の用意も不要ですし、車内スペースも広いため多くの釣果を持ち帰ることができるでしょう。
釣りの楽しみ方が増えモチベーションアップに繋がる
車内で快適に過ごせるキャンピングカーは時間や気温に左右されにくいという強みがあります。体力を理由にこれまで行けなかったポイント探しや、家族や友人との長期間釣行はもちろん、キャンプを組み合わせた釣りなどさまざまな楽しみ方が可能です。
本格的な釣行では、釣果が上がらないとモチベーションが下がってしまうことも多々あるものです。ポイントまでの移動や釣った魚の調理をおこなうなど、楽しみが増えれば釣りのモチベーションアップにも繋がるかもしれません。
キャンピングカーで釣りに行く際に確認しておきたい2つの注意点
キャンピングカーを利用する際、注意しておきたいのが駐車と車中泊の場所です。特に大型のキャンピングカーは駐車や車中泊の場所が限られることも多くあります。
不要なトラブルが発生すれば、スケジュールのズレやモチベーションの低下にも繋がります。釣りに限った話ではありませんが、釣果を上げるためにもキャンピングカーならではの注意点をしっかり理解しておくことが重要です。
キャンピングカーの駐車場所は普通乗用車と異なることがある
大型のキャンピングカーは一般的な駐車スペースに収まりきらないことがあります。コンビニやコインパーキングはもちろん、SA・PAでも一般的な幅2.5~3.0メートル・奥行5.0~6.0メートル程度の駐車スペースでは車体がはみ出してしまう可能性もあるでしょう。短時間の利用であれば問題ないかもしれませんが、釣りを目的として長時間駐車する場合は注意が必要です。
海釣り公園など、駐車スペースがある場所では事前にキャンピングカーを停めても問題ないか確認しておきましょう。また、港での横付けや、山間部での停車は周りの車に配慮する必要があります。場所によっては駐車場から釣り場まで徒歩で向かうことも考慮しておきましょう。
車中泊する場合は決められた場所でマナーやルールを守る
キャンピングカーはどこでも車中泊が可能というわけではありません。例えば利用時間が決められた港や海釣り公園も多くありますし、SA・PAでの車中泊は基本的にNGとされています。人の出入りが少ない砂浜や磯、山間部なら車中泊は可能かもしれませんが、周囲の環境によっては危険もともないます。
連泊の予定がなくても、車中泊が許可された道の駅やRVパークなどを事前に調べておきましょう。なお車中泊はもちろん、短時間の仮眠でも騒音などで周囲に迷惑がかからないよう配慮が必要です。快適な車中泊のため、サブバッテリーの残量や排水などキャンピングカー周りのメンテナンスにも気を配っておきましょう。
釣りに適したキャンピングカー3種類│釣行場所や利用人数で選択
キャンピングカーにはさまざまな種類がありますが、特に釣りに適したモデルとして下記3種類が挙げられます。
- 軽キャンピングカー
- バンコン(バンコンバージョン)
- キャブコン(キャブコンバージョン)
軽キャンピングカーとバンコンは比較的手ごろな価格帯で、近年は釣り仕様のモデルも多く登場しています。また、キャブコンはトイレやキッチンなど本格的な装備を備えており、釣り以外でも活躍できるのが魅力です。
軽キャンピングカーは1名~2名の利用でコンパクト釣行に最適
軽キャンピングカーには大きく軽トラックをベースとした軽キャブコンと軽ワンボックスカーをベースとした軽バンコンの2種類があります。軽自動車をベースとしていることからコンパクトで取り回しに優れており、河川中流~上流など山間部の狭い道でも余裕を持って出かけられます。
車内スペースに制約があるため装備は限られますが、1~2名が余裕を持って就寝できるベッドや釣り竿や釣り具を運搬できる十分なスペースを備えます。キャンピングカーの中では比較的価格も安く、維持費が手ごろなのもメリットです。
バンコンなら3名~4名で場所を問わず本格的な釣りが楽しめる
バンやミニバン、ワゴン車等をベースとしたバンコンは3名~4名で利用できる車内スペースの広さが魅力です。ハイエースをベースとした釣り仕様モデルも多く登場しており、一般的な駐車スペースにも収まるため普段使いしやすいのもメリットです。
4WD仕様や足回りが強化されたモデルを選べば悪路でも安心して走れますし、サブバッテリーを利用した冷暖房や汚れ落とし用のシャワーなど装備も充実しています。川から海まで場所を問わず繰り出せますし、釣り以外のアクティビティにも利用しやすいでしょう。
キャブコンは大人数・長期の釣行でも快適に過ごせる装備が魅力
トラックをベースとして専用のシェルを架装したキャブコンは、キャンピングカーらしい見た目が特徴のモデルです。大型のキャブコンでは取り回しだけでなく駐車や車中泊の場所が問題となりますが、コンパクトモデルもあり「動く家」とも形容される広々としたスペースと充実した装備を備えています。
冷暖房やTVなどの家電はもちろん、トイレやキッチンまで備わっており車中泊を1台で完結させることができます。長期間の釣行や家族・友人など大人数での釣りに適した車種だといえるでしょう。
釣りをさらに快適に楽しみたいならキャンピングカーを検討するのもおすすめ
本格的に釣りを楽しむと、体力や集中力はもちろん道具の運搬などさまざまな課題が出てくるものです。普通乗用車を釣り仕様にすることも可能ですが、キャンピングカーを用いることでこれらの課題をスムーズに解決できるかもしれません。
キャンピングカーはモチベーションアップだけでなく、収納や調理などを楽にする釣りのアイテムの1つとなるはずです。釣りのスタイルによって適切なキャンピングカーを選択して、楽しみ方を広げてみてはいかがでしょう。