2024年に入ってからもキャンピングカー人気はまだまだ衰えず、中古車市場の需要も高い状態が続いています。中古車キャンピングカーは新車よりも手頃な価格で入手できますし、納車後すぐに乗り始められるのも魅力です。
しかし、車両の状態によっては長く乗り続けることが難しいなど、中古車ならではのデメリットもあります。中古車キャンピングカーを検討している方に向けて、中古車選びのポイントや注意点について解説します。
キャンピングカーも含めた自動車の寿命は一般的に10年~15年
キャンピングカーも含めた自動車の寿命は一般的に10年~15年程度とされています。使用状況によっても異なりますが、走行距離で10万キロメートル~15万キロメートルが買い替えの目安だといえるでしょう。
しかし、同じ乗り方をしていても、乗用車と貨物車・商用車など車種によって寿命には違いが出てきます。また、車種に合わせた適切なメンテナンスをおこなうことで、キャンピングカーの寿命は大きく伸ばすことも可能です。
貨物車・商用車ベースのキャンピングカーは耐久性に優れ寿命が長い
乗用車と比較すると、キャンピングカーのベースとして人気のある貨物車・商用車の寿命は長いという特徴があります。一般財団法人自動車検査登録情報協会が発表している「わが国の自動車保有動向 (令和5年)」によると、平均使用年数は貨物車の方が2年ほど長くなっています。
- 乗用車(軽自動車を除く):平均使用年数13.42年
- 貨物車(軽自動車・被けん引車を除く):平均使用年数15.96年
平均使用年数は車が生産されてからスクラップされるまでの期間を表しています。貨物車・商用車ベースのキャンピングカーは耐久性が高く、乗用車よりも寿命が長い傾向があるといえるでしょう。
適切なメンテナンスをおこなえば20年~30年以上乗れる
キャンピングカーは適切なメンテナンスをおこなうことで、20年~30年以上乗り続けることも可能です。例えば中古車情報サイトを見ると、およそ30年前に製造された以下のようなキャンピングカーも販売されています。
- タウンエーストラック:1994年式・走行距離12.8万キロメートル
- コースタービッグバン:1994年式・走行距離14.9万キロメートル
また、中には年式は新しいものの走行距離が30万キロメートルを超えるキャブコンなども販売されています。全体として数は多くありませんが、定期的な点検や修理を欠かさずおこなうことで寿命は大きく伸ばすことが可能といえるでしょう。長く乗り続ける予定なら、自身でキャンピングカーの知識を身に着けるのはもちろん、経験や技術に長けた販売店やビルダーへの相談をおこなうのもおすすめです。
※メンテナンスについては「デルタリンク:メンテナンス」ページでも詳しくご紹介しています。
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キャンピングカーの中古車を選ぶ3つのポイント
中古のキャンピングカーは、新車よりもお手頃な価格で手に入れられるのがメリットです。既に生産中止となってモデルも探せますし、購入後の納車も早くすぐにキャンピングカーを楽しめるのも中古車の魅力となっています。
しかし、中古車は数も多いためお気に入りの1台を見つけるまで時間がかかってしまう可能性もあります。キャンピングカーの中古車を選ぶ際のポイントを確認しておきましょう。
車種・年式・走行・メンテナンスの記録をまず確認
中古のキャンピングカーを選ぶ際、まず確認するのは車種・年式・走行・メンテナンスの記録です。特に走行距離やメンテナンスの記録は、前のオーナーや販売店がどのようにキャンピングカーを扱っていたか判断する材料になります。
エンジンやブレーキシステムなど重要な箇所も含め、エンジンオイルやフィルターの交換などメンテナンス・修復歴から購入後の故障のリスクがないか確認しておきましょう。基本的なメンテナンス記録は中古車情報サイトでも確認することはできますが、不明点がある場合は問い合わせをしておくとよいでしょう。
内装・外装は販売店へ足を運んで直接チェックする
内装は前ユーザーや販売店がキャンピングカーをどのように扱っていたか判断する材料となります。家具や床の傷、シートのほつれやカーテンの破損、換気ファンやドアのゴムパッキン周りの雨漏りの有無、電気・ガス・水道の動作不良などがないか細かく確認しておきましょう。
また、サスペンションやブレーキなどに影響を及ぼす足回りの錆や腐食を見ることで、適切なメンテナンスがおこなわれていたか確認することもできます。中古車情報サイトに掲載されている写真だけでは判別が難しいことも多いため、可能なら販売店へ足を運んで直接チェックしておきましょう。
キャンピングカー独自の装備品はニーズも含めて確認
キャンピングカーにはFFヒーターや冷蔵庫、家庭用エアコンやバッテリーなど独自の装備があります。ソーラーパネルなど新車では高価なオプション品でも、既に取り付けてある中古車であればお得に購入できる可能性もあります。
事前に自分が使う装備をリストアップし、比較の材料にするとよいでしょう。なお車種でも製造された年式によって基本的な装備や性能が異なることもあるため、事前に中古車情報サイトで情報収集をしておくのがおすすめです。
※中古車情報については「デルタリンク:中古車一覧」でも詳しくご紹介しています。
キャンピングカーの中古車を選ぶ際の3つの注意点
キャンピングカーの中古車は数が多く、車種や装備も千差万別だといえます。キャンピングカー初心者の場合、購入後のミスマッチが起こる可能性も決して低くはありません。
また、購入後の維持費や販売店のアフターケア・サポートなど事前に確認しておくポイントもあります。キャンピングカーの中古車を選ぶ際の注意点を確認してみましょう。
ミスマッチを防ぐためニーズに合わせたキャンピングカーを選ぶ
中古車に限った話ではありませんが、キャンピングカーの車種や装備の選択次第では以下のようなミスマッチが起こる可能性があります。
- 車種が生活スタイルに合わなかった
- ベッドスペースが思ったより狭かった
- 使わない、使えない装備があった
例えば大人数での旅行を想定してキャブコンを購入しても、車体が大きいため買い物や駐車など日常生活では使いにくいという可能性もあります。また、実際に就寝してみるとベッドスペースが思ったより狭かった、エアコンがうるさくて使えないなど装備のミスマッチも考えられます。自身の生活スタイルから車種を選び、必要・不要な装備をピックアップしておきましょう。
税金・保険料やメンテナンスの費用が高くなる可能性がある
キャンピングカーも含めた自動車は、一部を除いて新車の新規登録から一定期間が経過すると税金が高くなります。
- ディーゼル車:新規登録から11年で税率アップ
- ガソリン車:新規登録から13年で税率アップ
例えば2019年9月までに登録のハイエースベースのバンコン(ガソリン・排気量2,500cc~)の場合、自動車税種別割(自家用乗用車)は13年未満では51,000円、13年超では58,600円となります。また、新規登録から13年・18年経過で自動車重量税も高くなりますし、古い車種では事故のリスクから任意保険料が上がる可能性もあります。さらに製造中止から10年以上経過した車種ではメーカーからパーツを入手するのが難しくなり、故障個所によっては修理が不可能、メンテナンス費用が高額となることもあるでしょう。
購入後のアフターケアやサポートは販売店・業者によって異なる
新車のキャンピングカーはベース部分をメーカーが、架装部分をビルダーや販売店が保証をおこなうのが一般的です。しかし、中古車の場合は購入後のアフターケアやサポートの内容は販売店・業者によって異なります。
例えば大手の中古車情報サイトでは最大3年の有償保証を提供する一方、保証がつかないキャンピングカーも多く販売されています。キャンピングカーは特殊な車両となるため、修理やメンテナンスには専門的な知識や技術が不可欠です。購入後も長く乗り続けるなら、キャンピングカーを専門に扱っている販売店・業者がおすすめだといえるでしょう。
新車ならではのメリットもあるので中古車と比較しながら検討がおすすめ
新車のキャンピングカーは費用が高くなりやすい一方、燃費や安全性能が向上しており機能性に優れるというメリットがあります。カスタマイズをすれば納期が延びてしまう可能性もありますが、自分だけの1台を手に入れられるのが魅力です。
キャンピングカーは資産価値が高く、万が一手放すことになっても大きな損はしにくいといえるでしょう。最長で10年(240回)があるなどローンの選択肢も増えているので、新車のキャンピングカーも検討してみるのもおすすめです。
キャンピングカーはメンテナンス次第で長く乗れる│中古車選びは信頼できる販売店やビルダーに相談
キャンピングカーは乗用車と比較して耐久性に優れており、適切なメンテナンスで長く乗り続けることが可能です。キャンピングカー初心者の場合、新車より手頃な中古車で使い勝手を確かめられるのもメリットとなります。
しかし、見えない部分が劣化していることもありますし、場合によっては新車よりも維持費が高くなってしまう可能性もあります。中古車選びの際は、信頼できる販売店やビルダーを見つけることが第1歩となるはずです。レンタルや問い合わせなども活用して、自身に合った中古車キャンピングカーを見つけられるようにしましょう。