
車に後付けで装備できるベッドキットは車中泊を快適にできるアフターパーツです。マイカーを手軽に車中泊仕様にできるため、キャンピングカーに興味がある方にもおすすめのパーツだといえるでしょう。
また、荷室を効率よく使えるようになるなど、ベッドキットにはアウトドア以外でも使い道があります。キャンピングカーとも親和性の高いベッドキットの概要や、メリット・デメリットを確認しておきましょう。
ベッドキットはハイエースやミニバンで使える後付けの装備
ベッドキットは主にワンボックスカーやバン向けに販売されている後付けの装備です。ハイエースやミニバンなどに設置することで、手軽にキャンピングカーのような利便性を確保できるのがベッドキットの大きな特徴です。
ハイエースなど室内スペースが広い車種なら、シートを倒すだけでも仮眠をとるには十分かもしれません。しかし、ベッドキットを設置することでより快適な睡眠が可能となりますし、手持ちのマイカーを車中泊仕様にできるというメリットもあります。
ベッドキットを使えばマイカーを車中泊仕様にできる
その名のとおりベッドキットは車の後部座席に設置するアイテムで、主に就寝を目的した作りとなっています。後部座席を完全にフラットにできるので、ただシートを倒すよりも快適な睡眠が可能となります。ベッドキットを使えば、マイカーを手軽に車中泊仕様にすることができるのです。
例えばキャンピングカーのような本格的な仕様は必要なくとも、手軽にアウトドアや長距離ドライブに挑戦したいという方におすすめできます。オートキャンプ場やRVパークなど、料理やシャワー設備の整った場所での車中泊ならストレスなく使えるでしょう。
普通車向けのベッドキットもあり導入のハードルは低い
ベッドキットはハイエースをはじめとしたワンボックスカーやバン向けの製品が主流です。例えば大手アフターパーツブランドでは下記のような車種のベッドキットが販売されています。
- トヨタ:ハイエース、アルファード、ヴェルファイア
- スズキ:エブリィ、ジムニー
- 日産:キャラバン
- ダイハツ:アトレー
一方、キャンピングカーのビルダーや販売店によっては普通車向けのベッドキットを取り扱っていることもあります。ビルダーによってはマイカー持ち込みでの架装も必要となりますが、車種に合わせてベッドキットを選ぶことが可能です。比較的種類も多く、通販サイトなどでも購入できるため導入のハードルは低いといえるでしょう。
ベッドキットのメリット│車内スペースを効率よく使える
ベッドキットを導入しても、キャンピングカー同様の快適性を確保するのは難しいかもしれません。就寝設備だけではキャンピングカーの構造要件を満たしていませんし、本格的な車中泊では物足りなさを感じる可能性もあるでしょう。
しかし、ベッドキットは設置することで荷室を効率よく使えるという側面もあります。車中泊やアウトドア、仕事など幅広い用途で活かせるのがベッドキットのメリットです。
車中泊が快適になり荷室を無駄なく使えるなど快適性が向上
ベッドキットのマットレスは基本的に就寝を目的としたフラットな設計となっています。座席をフルフラットにした時のような凸凹はなく、揺れにくいため快適に就寝することが可能です。また、後部座席を上下に分割する構造となっているので、車内スペースを無駄なく使えるのも大きなメリットです。
例えばサーフィンやスノーボード、釣りなどのアウトドア全般はもちろん、建設関係や配送などの仕事とも相性がよい装備だといえるでしょう。キャンピングカーのような使い方だけでなく、アイディア次第で幅広い用途に活用できるのがベッドキットのメリットの1つです。
製品の種類が多くDIYも可能で使い方に合わせて選べる
ベッドキットは製品の種類が多く、使い方に合わせて最適なモデルを選ぶことができます。特に種類の多いハイエース用のベッドキットだけでも、車種や用途に合わせてさまざまな製品が販売されています。
- フレームの素材(ステンレス・スチール・木製など)
- マットレス(横板)の厚み・素材(レザー・カーペット・クッション材の有無など)
- 高さ調節式・固定式
- カラー・デザイン
フレーム調節式は自身で取り付けできるモデルも多く、製品によってはリクライニング機能もついています。サイドチェア仕様や2段ベッドなどキャンピングカーらしいモデルもあるため、利用人数や用途に合わせて最適な製品を選ぶことが可能です。
ベッドキットのデメリット│導入費用やマイカーの使い方を要確認
ベッドキットは簡易的なものであれば手頃な価格で購入することが可能です。ただし、キャンピングカーに近い快適性や安全性を求めるなら大手アフターパーツブランドなどで購入した方が安心できるでしょう。導入費用が高くなるのはデメリットですが、保証やアフターサービスも充実しています。
なおベッドキットを設置することで、乗車人数やスペースに制限がでることもあらかじめ理解しておく必要があります。いずれにしても、利用人数や用途を確認して信頼できる購入先を見つけることが重要です。
価格は税込5万円~20万円程度で少なからず費用がかかる
ベッドキットは通販サイトやアフターパーツブランドで購入することができます。通販サイトで購入できるフレームタイプであれば、税込3万円~20万円程度と比較的安価に購入できるのが魅力です。ただし少なからず費用はかかりますし、機能・性能の高いベッドキットは税込20万円~50万円以上と高価になります。
ベッドキットが市販されていないモデルの車に設置する場合はオーダーメイドの必要性も出てくるでしょう。フレームの軽量化や高さ調節の段階の多さ、付属品を含めキャンピングカーに近い快適性や使いやすさを求めると価格は高くなる傾向があります。ベッドキットを購入する前に、利用人数や用途をあらためて確認しておくのがおすすめです。
ベッドキットによっては乗車人数やスペースに制限がでる
ベッドキットは後部座席を取り外して設置するものが主流となっています。乗車人数やスペースに制限がでるため、アウトドアはもちろん日常的に使う場合でも注意が必要です。簡易的なベッドキットなら1人でも取り外しは可能ですが、シートの取り付けは工具も必要ですし頻繁に入れ替えをするのはおすすめできません。
慣れていない場合は、ベッドキットとシートの入れ替えに数時間かかってしまう可能性もあるでしょう。車種によっては純正シートと組み合わせるベッドキットも販売されています。このようなベッドキットなら乗車定員も変わらないため用途に合わせて検討してみましょう。
ベッドキットを導入する前に確認しておきたい注意点
簡易的なベッドキットは穴あけなどの加工も不要で簡単に取り付けられるのが魅力です。ただし、シートの取り外しや工具の準備も必要となりますし、本格的なベッドキットであれば専門的な知識も必要となるでしょう。
また、ナンバーによってはベッドキットを設置することで車検に通らない可能性が出てきます。安全性を重視するためにはもちろん、車検などの相談も兼ねてキャンピングカービルダーなどの専門知識を持ったスタッフに依頼するのもおすすめです。
取り付けに不安があるならビルダー・専門店の利用も検討
ベッドキットの取り付けに不安がある場合は、キャンピングカービルダーやカスタムショップなどの専門店の利用を検討してみましょう。ハイエースなどの人気車種を専門としたカスタムショップは多く、専門的な知識で最適なカスタムを提案してもらえます。
また、ビルダーや専門店を利用すればさらに幅広い車種でベッドキットの取り付けを依頼することができます。架装やオーダーメイドの可否はビルダー・専門店により異なるため、まずは相談してみるのがおすすめです。なお費用は高くなりますが、ベッドキット設置済みの車両を購入するという方法もあるでしょう。
ナンバーによっては車検に通らないため「構造変更」が必要
ベッドキットを設置すると、ナンバーによっては車検に通らない可能性が出てくるため注意が必要です。貨物車扱いの1ナンバーと4ナンバーは、簡単に脱着できるベッドキットであれば荷物として扱われるためそのまま車検に通せるケースもあります。一方、3ナンバーや5ナンバーでベッドキットを設置することで乗車定員が変わる場合などは「構造変更」の申請が必要となる可能性もあります。
車検の可否はケースバイケースとなるため、ビルダーや専門店などに相談しておくのがよいでしょう。ベッドキットを購入する際に保安基準を満たしているか、取り付けたままで車検に通るか確認しておくことも重要です。
ベッドキットを利用すればマイカーを簡単に車中泊仕様にできる
ベッドキットは今乗っているマイカーを簡単に車中泊仕様にできるのが魅力です。キャンピングカーに近い快適性を確保できるだけでなく、荷室を効率よく使えるなど複数のメリットがあります。
導入費用は比較的安価ですが、取り付けやナンバー変更など導入時に確認しておきたいポイントもいくつかあります。キャンピングカーの購入を検討しているなら、手軽に導入できるベッドキットで車中泊を体験してみるというのもよいかもしれません。