
キャンピングカーらしい見た目を持つキャブコン(キャブコンバージョン)は、充実した装備や乗車定員の多さが魅力の1台です。キャブコンといえば大型で運転が難しいイメージがおりますが、近年はコンパクトで扱いやすいサイズのモデルも多く登場しています。
ベース車によっては普通車と変わらないサイズ感の「ライトキャブコン」もあり、初心者でも安心して運転できるのが魅力です。キャブコン初心者の方はもちろん、さらに使い勝手を向上させたいと考えているならコンパクトなキャブコンについて確認しておきましょう。
キャブコンのコンパクトモデルは2メートル×5メートル以内が基準
キャブコンのコンパクトモデルを検討する際に確認しておきたいのが、全幅2メートル×全長5メートル以内という基準です。全幅2メートル×全長5メートル以内なら一般的な駐車枠に収まるサイズで、普通車とほとんど変わらない扱いやすさを実現しています。
日常的な運転も視野に入れるならコンパクトなベース車を用いた「ライトキャブコン」を検討するのもおすすめです。また、スタンダードなベース車を用いていても、全幅2メートル×全長5メートル以内に収まるコンパクトなキャブコンを多く登場しています。
ライトキャブコンは5ナンバーのミニバンと変わらないサイズ感
キャブコンの中でも、特にコンパクトなモデルは「ライトキャブコン」と区別されて呼称されることがあります。ライトキャブコンのベース車となるのは、ボンゴやタウンエーストラック、NV200バネットなどのバンやトラックです。
ベース車によって差はありますが、架装後の全幅・全長はいずれも2メートル×5メートル以内に収まります。基本的に5ナンバーのミニバンと変わらないサイズ感となるため、初心者でも安心して運転できるでしょう。
ビルダー/ベース車 | 全幅(ミリメートル) | 全長(ミリメートル) | 全高(ミリメートル) |
A社/ボンゴバン | 1930 | 4640 | 2740 |
A社/ボンゴバン | 1910 | 4650 | 2790 |
M社/タウンエーストラック | 1910 | 4680 | 2700 |
2700A社/タウンエーストラック | 1940 | 4690 | 2630 |
A社/NV200バネット | 1980 | 4985 | 2580~2660 |
カムロードやびぃーかむをベースとしたコンパクトモデルもある
キャブコンのサイズはベース車や架装するビルダーによって差があります。快適性や装備の充実を求めたキャブコンは、ベース車の架装重量に余裕ができたことも相まって大型化する傾向が見られます。一方、近年は2メートル×5メートル以内に収まるコンパクトなモデルも多く登場しています。
中には全高が3メートルを超えるモデルもありますが、コンパクトで取り回しに優れているため初心者でも運転しやすいでしょう。ある程度キャンピングカーに慣れた方でも、使い勝手を向上させたいというニーズを満たすことができるはずです。
ビルダー/ベース車 | 全幅(ミリメートル) | 全長(ミリメートル) | 全高(ミリメートル) |
N社/カムロード | 1960 | 4790 | 2720 |
D社/カムロード | 1920 | 4850 | 2850 |
V社/カムロード | 1960 | 4800 | 2700 |
N社/びぃーかむ | 1990 | 4990 | 3100 |
キャブコンコンパクトモデルのメリット│キャンピングカーの魅力を凝縮
キャブコンのコンパクトモデルは、サイズを問わずキャンピングカーらしい魅力を凝縮したモデルとなっています。最新のモデルであれば基本的な装備やオプションはもちろん、電源システムも効率化されているのが魅力です。
また、ライトキャブコンは装備やオプションこそ控え目となりますが、初心者でも運転しやすいなどの特徴があります。バンコン(バンコンバージョン)など他のキャンピングカーも含めて検討する際は、キャブコンならではのメリットを確認しておくことが重要です。
取り回しに優れ狭い道や一般的な駐車場でも問題なく利用できる
アウトドアやレジャー、キャンプだけでなく、日常的にも使いやすいのがコンパクトなキャブコンの大きな魅力です。特にライトキャブコンのベース車は全幅・全長がコンパクトなだけでなく、最小回転半径も比較的小さいという特徴があります。
- ボンゴバン:4.9メートル/5.3メートル
- タウンエーストラック: 4.9メートル/5.3メートル
- NV200バネット:5.2メートル/5.4メートル
ホイールベースもベース車と変わらないため住宅街などの狭い道でも難なく進めますし、買い物や送迎でも不安なく運転可能です。
一方、スタンダードなキャブコンはライトキャブコンと比較してサイズは大きくなるものの、コンパクトなモデルなら普通車に近い扱いやすさを実現しています。一般的な駐車枠にも問題なく収まるため、初心者でも不安なく運転できるでしょう。
居住空間が広く立って移動できるほど十分な余裕がある
全幅2メートル×全長5メートル以内に収まったコンパクトなモデルでも、居住空間はキャブコンらしい十分な余裕が確保されています。無駄のないレイアウトでスペースを有効活用したモデルも多く、人数が多くてもストレスなくレジャーやアウトドアを楽しめるでしょう。
一方のライトキャブコンは少しサイズダウンしますが、大人でも立って移動できるほどの広々としたスペースが確保されているモデルもあります。4名程度の乗車であれば、ライトキャブコンでも十分快適に利用できるのではないでしょうか。
ビルダー/ベース車 | 乗車定員 | 就寝定員 |
N社/カムロード | 7名(2WD)/ 6名(4WD) | 5名 |
V社/カムロード | 7名(2WD)/ 6名(4WD) | 4名 |
A社/ボンゴバン | 6名 | 6名 |
A社/ボンゴバン | 6名 | 4名 |
充実した装備でキャンピングカーの魅力を思う存分楽しめる
コンパクトなキャブコンであっても、冷蔵庫や家庭用エアコン、電子レンジといった基本的な装備をはじめ、ソーラーパネルなどの各種オプションも豊富に用意されているのが魅力です。デザイン性の特化はもちろん、効率のよい電源システムを組み込んだモデルも登場しており、季節を問わず快適にアウトドアやレジャーを楽しめます。
対してライトキャブコンはトイレやシャワールームが省かれているモデルが多いものの、こちらも基本的な装備やオプションは充実しています。初心者はもちろん、キャンピングカーに慣れた方でも不満なく利用できるのではないでしょうか。
ライトキャブコンなら比較的リーズナブルな価格で購入可能
スタンダードなキャブコンと比較すると、ライトキャブコンは比較的リーズナブルな価格で購入できるのが魅力です。ベース車やビルダーによっても異なりますが、価格は税込500万円~700万円程度に収まります。
- ボンゴバンベース(A社):632万5,000円(税込)
- タウンエーストラックベース(A社):558万4,000円~583万6,000円(税込)
- タウンエーストラックベース(A社):524万7,000円~558万9,100円(税込)
- NV200バネットベース(A社):665万600円(税込)
カムロードなどをベースとしたキャブコンは、コンパクトなモデルであっても税込600万円~1,000万円以上と高額です。キャンピングカー初心者が購入のしやすさを優先するなら、ライトキャブコンを選択肢に入れるのもおすすめだといえるでしょう。
キャブコンコンパクトモデルのデメリット│他キャンピングカーとの違いも確認
キャブコンの中でも、特にサイズの小さいライトキャブコンはいくつかデメリットが存在します。スタンダードなキャブコンと比較すると利用人数や装備が限られますし、エンジンパワーも決して強いとはいえません。
他のキャンピングカーのモデルと比較するとベース車両が限られるため、選択肢が少ないのもデメリットとなるでしょう。キャンピングカー初心者の場合は、他のキャンピングカーも含めて比較検討してことも必要となります。
モデルによっては乗車定員や就寝人数、装備などが限られる
ライトキャブコンの中には以下のように乗車定員・就寝人数が限られるモデルも存在します。
- 乗車定員:6名
- 就寝人数:2名
利用する人数によってはアウトドアやレジャーの行き先が限定される可能性もあるため注意が必要です。また、各種装備やオプションもビルダーによって差が生まれやすいポイントだといえるでしょう。例えばマルチルームがついている代わりに、乗車人数や就寝人数が少ないモデルも存在します。同じベース車両を用いていても乗車定員や就寝人数、装備はビルダーによって異なるため購入する前に利用人数を確認しておくことが重要でしょう。
大型キャブコンと比較して走行性能や乗り心地が劣る可能性がある
コンパクトなキャブコンの中でも、特にライトキャブコンは走行性能や乗り心地に満足できない可能性があります。ライトキャブコンのベース車両はカムロードなどと比較してエンジンパワーが劣りますし、架装で重量が増えているため燃費も悪くなります。
また、通常より車高があるため横風などの影響を受けやすくなるでしょう。ライトキャブコンのベース車両はホイールベースも短いため、高速走行時のふらつきや乗り心地の悪さを感じやすいかもしれません。走行安定性に関してはライトキャブコンに限ったものではありませんが、特に初心者のうちは急制動や急ハンドルを避けるなど安全運転を心がけるのがおすすめです。
キャブコンのコンパクトモデルは初めてのキャンピングカーはもちろん乗り換えにもおすすめ
キャブコンは大型のイメージが強いキャンピングカーですが、ユーザーのニーズを組んだ扱いやすいモデルも多く登場しています。中にはコンパクトなベース車両を用いたライトキャブコンもあり、初心者であっても購入しやすい価格帯となっています。
キャブコン、ライトキャブコンならではのデメリットもありますが、キャンピングカーの魅力を凝縮しているのがコンパクトモデルの特徴です。アウトドアやレジャーの機会が多いなら、キャブコンのコンパクトモデルを検討してみるのはいかがでしょう。